メモ。「現実とは〈本当のこと〉ではない。それは現時点においては最有力な〈フィクション〉である、というにすぎない。そしてフィクションとはただの〈嘘〉ではないし〈つくりごと〉ではない。それは、潜在的な現実なのだ。だから強いフィクションは、現実をおびやかす。現実に取って代わる可能性を、常に突きつけているからだ」(岡田利規) 『わたしたちに許された特別な時間の終わり』と題された小説集に束ねられた2篇「三月の5日間」と「わたしたちの場所の複数」。相変わらず私は、相変わらず私も、「わたしの場所の複数」について、いつも考えている。「潜在的な現実」として、”この”現実をおびやかし、よりよい、別なる現実を、”こ…