WOWOWで放送された「正三角関係」のロンドン公演。野田秀樹の芝居は情報が多すぎて、見ていて疲れてしまうので、夏休みのような時間があるタイミングで放送してくれたのはありがたい。僕は実のところ「ぴあ」での配信を視聴しようと思いつつ、落ち着いた時間が確保できずに断念していたのだ。 野田の芝居は言葉遊びを含めて台詞が多く、そして役者のテンションが高いまま進行してゆく。それが、見る側を疲れさせてしまう要因だ。気を抜くと、台詞に籠められた複雑な意味を聞き逃してしまうようで、もったいなさを避けるには集中せざるを得ない。 日本人の発声は欧米人に比べて高めだと言われるが、この芝居の役者もまさにその通りに腹から…