マンガばっかり

マンガ批評

硬派銀次郎


★★★
本宮ひろ志による熱血/恋愛漫画
ひさびさに読みました。
途中で、エリート中学生は大江健三郎を読んでいる、というのが出てきたが、あぁ、そうだ、自分は中学の頃、ここのところを読んで大江の『死者の奢り』を読んだんだっけなぁと、しょっぱいことを思い出してしまった…
ともあれ、ラブコメの元祖を求めて読み始めたけれど、これは番長ものの1つでしかないなと思った。
銀次郎は最後まで駆けつけ女房の高子を女性としてみることができなかったようだし、作中では高子に「わたしさあ銀ちゃんのためなら三歩うしろをすなおにあるけるんだもん」とも語らせてもいる。
しかし、高子は銀次郎よりも20センチほど背が高く、実家は医者であり、天茶中はじまって以来の秀才でもあるらしい。
女の子は無理に勉強しないでいいという父親に対して「そんないい方ってないわ女性べっ視よ」と怒って見せてもいる。
しかし、やはり『男一匹ガキ大将』の本宮が、そんなに路線変更ができるわけなどない。
ちなみに連載は1976年から。
(No.731)