ケータイ向け配列「Kodama」の別版「Kodame」登場!

(参考: http://www2u.biglobe.ne.jp/~cws/kodame.htm )
(過去:かえで携帯配列を改造してみるテスト。)
(未来:もちろんパソコンにも未来はありますからッ!)


 中川さんから、早速新しい配列を設計したとのお知らせを頂きました。


 「Kodame」では、比較的出現頻度が低い

  • 「っ」の子音重ねによる入力を取りやめる
  • 「う段かな+{ぁ|ぃ|ぅ|ぇ|ぉ}」を前後別打ちにする

ことと引き換えに、それと比較して出現頻度が高い

  • 「濁音&半濁音文字の完全2打鍵化」
    • (従来は必ず3〜4打鍵、今回の例外は低頻度の「てぃ・でぃ・でゅ」のみ)
  • 「(濁音&半濁音まで含めた)い段かな+{ゃ|ゅ|ょ}の完全3打鍵化」

が行われています。
 「濁点操作が打鍵数を5〜10%押し上げている」という点をきちんと考慮した携帯ローマ字入力というのは、おそらくKodameがはじめてだと思われます。


 携帯電話でローマ字入力を扱いたい人にとって「Kodama」と「Kodame」のどちらがより魅力的であるかは人によって感じ方が異なってくると思われますが、個人的な感想としては「Kodameのほうがローマ字入力の打鍵テンポに近くて面白そう」だと感じました。
 人によってどう感じるかは異なってきますので、好きなほうを選択できる環境があれば理想的かもしれないですね。


 ベル打ち風に並べて打鍵感を予想してみたいと思ったので、「かえで携帯配列」などと同じような表記方法で鍵盤を表現しなおしてみました*1
 1打鍵目は「遠目に」見て、2打鍵目は「近目に」見てください。
 3打鍵目(拗音付き文字&単独の小文字)は、右端の「○yシフト」または「Thシフト」ルールで入力します。

○y
      ○a    
           
      Ky Gy Sy Jy ○i    
      ○u ○e ○o
Th
Ty Th Ny Hy By てぃ でぃ でゅ
wy p
     
     
      My Ry Py
     
                 
                 
                 
                 

 人によっては【49:Th】と【88:っ】をひっくり返すほうがいいかも?……などと一瞬考えてもみたのですが、「っ」に割り当てられるべき定義として「49」では重すぎると思われるだけに、このまま使うほうが良いのだな……と、妙に納得してしまいました。
 #ローマ字入力での「っ」は「子音の2度重ね=二つ以上のキーを別々に押すことはユーザから許容されない」という感覚からしても、【88:っ】は極めて妥当な定義だと思います。


 ……で、毎回やっている「日記体での打鍵数計算」をまたやってみることにします。
 #文字の出現頻度からすると、10キー方式の「かえで携帯配列」が大敗することは目に見えているのですが^^;、これはもう「お約束」ですので。


 元データはいつものとおり「雑記打」のメモ。から。
 もちろんローマ字入力が不利にならないように、小書き文字が打ちやすいように組み合わせをいじっています。
 かぎかっこ抜きで230文字、2.0打鍵方式ではちょうど460打鍵になります

──Kodame携帯配列テーブルから算出──
【1打鍵文字】1打鍵×33文字=33打鍵
あああいいいいいいいいいいいいいいうううううううううううええおおお
【2打鍵文字】2打鍵×185文字=370打鍵
、、、、、。。。。かかかかかかかかかくくくくくけけここここささしししししししししすすすすすすせせそそたたたたたたちちつつつつてててててててととととととととななななななにににににねののののののははははははひひふふへほやゆよよらららりりりるるるるれれれれろんんんんんんんんんんががががげごじじじじずだだだでででででどどばびぶまままままみみむめめももももわをををーーーっっっっ
【3打鍵の組文字】3打鍵組み×6組=18打鍵
きゃきゅきゅきょきょぎょ
……Kodame携帯配列では、合計で421打鍵。

 ……うーん、これはすごい。
 当たり前ながら「かえで携帯配列」ではどうやっても追いつけない数字が出てきました^^;。


 12キー方式としては最近計算したばかりの【かえで携帯配列を改造してみるテスト。】で「230文字当たり425打鍵」という数字を算出したのですが、そこから比べてもさらに4打鍵少ない打鍵数で打ち切れるとは……。


 JISX4063ローマ字入力(フルキーボードを使った一般的なローマ字入力)の入力効率は、「雑記打」のメモ。から「230文字当たり400打鍵(1.739打鍵/かな)」と算出しているのですが、Kodameはそれに近い「230文字当たり421打鍵(1.83打鍵/かな)」の値をたたき出しています。
 ここまでの入力効率を確保できれば、同じローマ字系ということもあり【フルキーボードでのローマ字入力からの移行用途として】きっちり使えそうな気がしています。
 実際にKodameを実装するなら、「Kodameローマ字入力+Kodama英字入力」の組み合わせでいけるような気もします。もともと入力ガイドを付ける方向で製作されているのですから、ユーザが迷うことはそうないであろうという期待も持てますし。


 「いやー、やっぱりかなわないなぁ……」と驚きつつも、ローマ字入力系での工夫が苦手な私ではできないことをズバッとやってのける中川さんのアイデアは凄いなと感じました。
 ええと……とりあえず打鍵数に関しては白旗を揚げさせていただきたいところです^^;。ポケベル打ちの考え方では、今以上の入力効率は絶対に望めませんので。
 今日は計算していたというよりも「検算」したというほうが正しいですね……計算する前から大体の予測が付くあたりで、検算していてとても面白い体験ができました。


 中川さんは資料上で「実装予定なし」との意見を表明されていましたが、個人的には「【Kodama】と【Kodama英字+Kodameカナ】を切り替えできると良いかも?」……などと思ってしまいました。
 濁音で頻出する文字は「が」「じ」「だ」「で」なのですが、Kodameではこれらが「22」「33」「42」「45」に割り当てられていて、他の携帯ローマ字入力のような「指が踊る感じ」が少なく仕上がっている点が良いと感じました。

*1:自分にとって解りやすいと思う表現に変換してみたかった……というだけの話です^^;。