Nokia Morph コンセプト電話 - ノキアを甘く見てはいけない

ノキアといえば、日本のギョーカイ人の間では「あのダサい電話を作る、ヨーロッパの田舎モン」ぐらいにしか思われていないだろう。正直、少し前までアメリカから見ていても、私はそういうイメージを持っていた。あのゲームコントローラーみたいな形をした全然売れなかったN-Gageとか、いつまでたっても折りたたみ電話が作れなかったとか、先進的というより「質より量」の会社だと思っていた。

しかし、最近ちょっと違う。GSMの広大な後背地(新興国)で急成長する数量をしっかり掌握して、世界の携帯端末業界の覇権を確立する一方、その地位と潤沢な資金を利用して、位置情報システムやホーム・ネットワークなどといった新分野で動きが急なのだ。

今日も、こういうビデオがYouTubeに出ていて、アメリカのギョーカイ筋メディアであちこち取り上げられている。ナノテクノロジーを使った、「可変型携帯電話」で、ケンブリッジ大学との共同開発だそうである。まーこれは、コンセプト・ビデオであって、ホントにできるのかどうか知らないが、なかなか面白い。

ノキアは、これまで独自分野として確立していた「携帯電話」という分野が、家電やパソコンなど他分野との境界があいまいになり、市場の成熟とコモディティ化が進む中で、「携帯電話」専業メーカーから脱皮しようともがいている。アップルやグーグルなどの「アメリカ勢」を迎え撃つ「欧州チーム」代表のような位置にもある。

日本のメディアでは、アップルやグーグルばかりが人気で、地味なノキアは全くレーダーの届かないところにいるが、シリコンバレーのインサイダーの間では注目度が急上昇中。

世界一の携帯電話会社、ノキアを甘く見てはいけない。