TOM VERLAINE with JIMMY RIP

下北沢GARDENにて。楽しみにしていたこのライブ。トムさんのライブを見るのはテレビジョン含めて初めてで、最近の活動を知らないだけにどんなんだろうか?と思っていました。
真新しいライブハウスのピカピカのステージには、エレアコ2本だけ。
現在ライブでのパートナーであるギタリスト、ジミー・リップと2人のステージは、まさに「ギターと声だけで」奏でられる、シンプルだけど多層な響きを合わせ持った豊かなライブでした。
お姿は若い時とさほど変わってないようでちと安心*1…。
若いころのトレードマークといえる「キリキリと冷たく冴えた熱」はさすがに和らいでいたけれど、ただ歳を取るだけではなしえない、枯れたとか芳醇とも違う響きに満ちていました。
気の合うジミー・リップと穏やかに笑いながら演奏を披露しつつ、単に「まったり」ではなくて、芯のヒリヒリさは残っている。それだけは消せないといった具合に。
フォークにブルースに…ルーツ・ミュージックの道を歩いているようなギターワークには、ただひたすら弾くことが好きなんだなあっていう純粋さが感じられました。それは彼の日々そのものであるし、求道心的なものでもあって。上手いだけではなく、彼の精神性が表れているような、そういう音。
そのストイックな部分を、時折ジミー・リップのサービス精神が和らげてくれる。サイコーのコンビだなあ。
このステージなら「マーキームーン」でファンサービスなんてのいらないや…。むしろそれがないところが、素敵。


さてその前座。ヴァーレイン師匠の前でこれまでの戦いの成果を披露する門下生 ヤマジの演奏も良かったです。
1曲目の「blus bus」、大好きな曲なのですが、音の感触が今までになく柔らかくて驚いてしまった。続く「helpless」日本語カバー。ええー!ニール・ヤングやんのーってこころが仰け反ったケド、これが素晴らしかった…。強くて優しくて、こんなにも表現力って変わるものなんだなあ。あのころのヒリヒリした感覚が今のこの瞬間にクロスして、唄声が染みてきて…涙腺が緩んでしまった。基本的に穏やかな流れで展開されて、ラストのピンク・フロイドの壮絶カバーに至るまで、ヤマジのギターワークの多彩さが散りばめられていました。
選曲もわずかなMCも、媚びることも閉じることもなく、彼らしかった。
ずっと続けること。内も外も意識すること。うまく世の中に立ち回らなくても自分の音を常に響かせていること。トム・ヴァーレインに影響されたというミュージシャンは多々いるけれど、いろんな意味でヤマジさんは門下生であるなあと、今改めて思います。
これを機にライブ動員増えるといいな*2。因みに変な客がいたけど、これまで私が見る限り、遭遇したことなかったです…。

*1:ちなみに余談。会場内の年齢層は高ッ!男女ともにオンタイムなファンも多いようで…。んで、スーツ姿の人がホント多くて。こんなにスーツ率高いの初めてですワ

*2:次回のヤマソロは12/21(火)三茶ヘヴンズドアにて。