Aspect for St. Genku’ s Return to This World(源空聖人の還相)
源空聖人(法然上人)は、還相回向の人として知られています。親鸞聖人の『高僧和讃 源空讃』(『浄土真宗聖典』)(pp.595〜598)より次の三首を挙げてみました。
(1) 智慧光のちからより
本師源空あらわれて
浄土真宗をひらきつつ
選択(せんじゃく)本願のべたまふ
*智慧光のちから:勢至菩薩のこと
(2)命終その期ちかづきて
本師源空のたまはく
往生みたびになりぬるに
このたびことにとげやすし
*往生みたびに…:インドでは声聞(しょうもん)僧、中国では善導として
往生し、いま日本の源空として三たび往生することをいう。
(3)粟散片州(ぞくさんへんしゅう)に誕生して
念仏宗をひろめしむ
衆生化度のためにとて
この土にたびたびきたらしむ
*粟散片州:日本のこと
上記(1)の和讃からは、源空聖人(法然上人)は勢至菩薩の生まれ代わりであったこと、(2)からは、三たびの往生であったこと、また(3)からは、日本にたびたび還って衆生済度に活躍しておられたことが明らかです。感動しました。今もなお、日本に来ておられるかもしれません。その活動の根源にある阿弥陀如来のお働きに思いを馳せたいと思います( I’d like to turn my thoughts toward the Amida’s work which
is the root of St. Genku’s activities.)。