気持ちの良い日曜


 ある人(近い親族)が太平洋戦争のころにそこに通っていたと聞き、そこに自分の記憶があるわけはないのだが、新富町近くの明石小学校へ妻と二人で行ってみる。六十年以上もまえのこの街がどんな様子だったのか、その街で子供たちがどんな暮らしをしていたのか、何も判らない。東京駅八重洲地下街タイ料理店に入りランチを食べる。それから快晴で気持ちの良い日曜のオフィス街をのんびりと歩いて行く。途中、こんな広場を見つける。ときどき地図を見ながら。明石小学校は周りの道から眺めるだけだろうと思っていたが休日校庭開放と書いてあるのでのこのこと入ってみる。校庭には鯉のぼりがあり、向こうに聖路加のチャペルが見える。旧聖路加病院のチャペルは聖路加ガーデンが出来たときに壊されたのだと勘違いしていたのだが、看護学校になっているらしい。コンクリートで固められた校庭はもしも転んだら痛いだろうなと思いながら校庭を一周歩く。自転車の練習をしている小さな女の子とそのお母さん。樹に引っかかったボールをなんとか取ろうとして大人に肩車をしてもらい、さらに竹の棒を伸ばして枝をたたく男の子。しばらくベンチに座ってそんな様子をぼーっと見ていた。
 そこから築地に行く。途中の交差点に面したカフェで珈琲とメイプルシロップのかかったチーズケーキを食べた。交差点を見ていると、真っ赤なタンクのものすごいチョッパーハンドルに改造したハーレーが通る。黄色いポロシャツのサングラスをかけた若い女に何故だか睨まれる。すぐ前に座っている犬を連れた女性のジーンズが下がり気味でお尻の割れ目の上端部がのぞく。
 さらに東銀座から銀座へと歩き、さらに有楽町から東京までも。東京駅丸の内のOAZO丸善に寄る。先日のブログでミステリー小説のことを若干けなしたような感じがあったからか、その反動で(?)、年に一冊か二冊は読むのだが、久々にミステリー小説を買う。ヒラリー・ウォー著「この町の誰かが」帯に書かれた恩田陸の推薦文が購入動機ってことで、単純な購入。だって、ミステリーには詳しくないからわからないんだもの。
 もう一冊、小川洋子短編集「海」も。