小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

「鋼の錬金術師」19巻 荒川弘著

 ちょっと前に読み始めた「鋼の錬金術師」。ブームの時はまだそんなに巻数もいっていなかったし、なんだか世界観があやふやな感じで読んでいなかったのですが、ちょっと前にふとしたきっかけで読み始めたら結構面白かったので、最新刊は買って読んでみました。で、読んでみるとやはりなかなか面白い。主人公は本当に主人公タイプ(熱血で人がよくてそれでいて思い込みや責任感はあるという)ですが、世界の成り立ちや背景が深く突っ込まれているのでちゃんとした世界観が出来ていて、それがなかなかに心地よい感じでした。色々なことの真相も明らかになってきたし、ここまで広げた風呂敷もこれからゆっくりと収束していくのかなという感じです。

鋼の錬金術師 19 (ガンガンコミックス)

鋼の錬金術師 19 (ガンガンコミックス)


 

ホームレス中学生に 小池撤平??

漫才コンビの麒麟の田村裕が書いた『ホームレス中学生』。漫画になったり、ドラマ化したりと大ベストセラーになってますが、あれの映画の撮影がいよいよ始まったそうです。関西発信のお話ですから、悪くはないです。
でも。でも、ちょっと待っていただきたい。
主演がWatの小池撤平ってそれはまたあまりに無茶苦茶なキャスティングではないでしょうか。架空の人物や、半世紀くらい前の話ならいいですが、どう考えても頭の中で、田村と小池くんが繋がらなくないですか? そっちの方が観客動員はいいかも知れませんが、違うでしょう?
原作のエピソードも田村だから実話でOKなのが、小池くんがやると絶対嘘臭くなりそうじゃないですか。
どう思います? あまりにも無茶じゃないですか?

「騙し屋ジョニー 魔界都市」 菊地秀行著 

 本年81冊目の紹介本は、ひさしぶりの魔界都市<新宿>ものです。
 魔界都市<新宿>は、ソノラマ文庫から出ていた菊地秀行のデビュー作であり、氏の原点です。が、その正統派の魔界都市<新宿>は、デビュー作の魔界都市<新宿>と二冊目の空中庭園をテーマにした作品を最期に作品の発表はなく、その後は同じ「魔界都市」の新宿という場所を借りてのマンサーチャー「秋せつら」を主人公にしたシリーズ、魔界医師のメフィストを主人公にした「ドクター・メフィスト」シリーズ、新宿のガイドを主人公にした魔界都市リポートのシリーズなどスピンオフ作品ばかりでした。
 著者の菊地秀行氏本人があとがきに書いていますが、今の彼の作風や作品世界の雰囲気と、このデビュー作の主人公の雰囲気があまりに違うので続けていくには無理があったからです。そして、それはやはり今でも解消されているようには見えません。これも氏があとがきで書いているように確かに主人公の十六夜京也も、ヒロインの羅魔さやかも、どちらも魔界都市になじませる為に性格が変えられていますが、それでもちょっと彼が書く今現在の作品世界のシリーズの主人公としては物足りない感じになってしまっていて無理があります。正直に言って、他のシリーズ作品と並べられると一段落ちる感じがしてしまいました。
 なので、他シリーズでは神に近い能力を持つメフィストがちっちゃな嫉妬心でしでかす事や他者が彼に近い医学的能力を出してしまう事も含めて、この魔界都市新宿は、他のシリーズの魔界都市新宿とは別物、もしくはパラレルで関連性はないものとして読む方が作者にとっても読者にとっても幸せな気がします。
 タイトルの騙し屋ジョニーだけは、今までの氏のパターンにないキャラクターで面白かったですけれど、でも、作品全体としてはやっぱり評価が下になってしまいます。という事でお勧め度は5の3です。

騙し屋ジョニー 魔界都市〈新宿〉 (ソノラマノベルス)

騙し屋ジョニー 魔界都市〈新宿〉 (ソノラマノベルス)


追記:個人的に今一番読みたい菊地秀行のシリーズは、同じ念法使いでも妖魔シリーズの方かなぁ。ただし、あちらも表紙ではかっこよく描かれていますが、著者本人の記述によると「西川のりお」に似ているという話だったような^^

警察の能力に不安が高まる

 警察の能力に不安が高まった、という人も多いでしょう。
 何の話かといえば、茨城県の土浦での連続刺殺事件のことです。容疑者(まぁもう既に犯人と言っていいでしょう)金川真大が何人も連続殺人する間、近くにいながら犯行にも気付かず、逮捕することもできずにいた警察。170人体制の警戒網がまったくざるざった警察。犯人は結局、自首。無人の交番から容疑者が自首の電話をかけなければ逮捕できたかどうかもあやしい警察。それらに市民は怒り、専門家も首をひねるばかり。どうしたんでしょうねぇ、警察は。無線機ももたずに警備したって意味がないでしょうに。
 自分たちが小さいときには、警察に対する好悪の情は別として、警察は優秀で、日本では犯罪を犯しても大抵のケースでは犯人は必ず捕まり、よほどの事がなければ大事件は起こせないというイメージが一般通念としてあったわけですが、今はそういうのがまったくありません。どこでどう道を間違えたのか警察の能力については今では信用できるものがないくらいになってしまっています。
 もちろん、犯罪を犯す人々の心理も大きき変わっているし、治安そのものが悪くなっているのも事実ですし、福田内閣の支持率が30%程度といったような世の中への不安も含めて世情が不安定で犯罪を誘発しやすいという状況もあります。でも、最近の検挙率の悪さ、治安維持に対する抑制力の低さはどうしたものでしょうか。とため息です。
 そういえば、千葉県のマンションでおきた英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件も死体が見つかって1年がたつものの市橋容疑者がどこにいるかすらわかっていないわけで、、うーむ、どうにかしてほしいものです。