1月14日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

刑訴法〈2〉
次は、逮捕状の執行についての記述であるが、誤りはどれか。
(1)被疑者を逮捕すべく逮捕状を示したところ、被疑者はやにわに逃走し、逮捕することができなかった。この場合、逮捕行為が完了したとはいえず、逮捕状の効力は失われていない。
(2)被疑者を逮捕し、手錠を施して引致場所へ向かう途中被疑者が逃走した。この場合、引致場所へ引致しておらず、逮捕行為を完了していないので逮捕状の効力は失われていない。
(3)逮捕状により被疑者を逮捕する場合は、被疑者に逮捕状を呈示しなければならないが、手交することまでは必要でない。
(4)いわゆる逮捕状の緊急執行の場合に被疑者に対して告げる被疑事実の要旨は、「理由なく逮捕するものではない」ことを理解せしめる程度に、かいつまんで告知すれば足りる。
(5)逮捕状の緊急執行を行った場合には、できる限り速やかに逮捕状を被疑者に示さなければならない。

⇒逮捕状の執行に関しての問題は、「通常逮捕の方法」と「逮捕状の緊急執行」について問われるにすぎないから、これらのテーマを押さえておけば十分である
正解(2)
(2)誤り。
→被疑者に手錠を施した時点で逮捕行為は完了
(1)正しい。
→逮捕行為は、被疑者を逮捕者の実力支配下におさめたときにに完了
→逮捕状の呈示は逮捕行為の着手にすぎない
(3)正しい。
→逮捕状の呈示は、被疑者がその内容を知ることができる程度に示せば足りる
(4)正しい。
→被疑事実の告知は、被疑事実のすべてを逐一告知する必要はない
(5)正しい。
→刑訴法201条2項、73条3項ただし書

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刑事訴訟法 (法律学講義シリーズ) 第5版

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刑事訴訟法 第3版 (有斐閣アルマSpecialized)

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1月15日「今日の模擬試験」配信分のメッセージ

こんにちは。水野です。

今日から、論文問題を出題します(週1問)。解説は、携帯電話の画面を考慮し、必要最小限度にせざるを得ません。ただ、簡潔な答案構成を頭に入れ、試験会場でそれを膨らませて答案を書く、というのは有効な勉強方法であると確信しています。

論文問題 憲法〈1〉

国際化した社会環境の中にあって、従来から在留する者を含め、我が国に居住あるいは滞在する外国人が多くなっているが、それにともない外国人による犯罪の増加、外国人の選挙権・公務就任権などの問題が生じている。
憲法で保障されている基本的人権と外国人との関係について述べなさい。

答案構成例
1.外国人の基本的人権の保障
2.外国人に保障される人権
3.外国人に保障されない人権

1.外国人の基本的人権の保障
(1)外国人の人権享有主体性
→外国人にも、権利の性質上適用可能な人権規定は、すべてに及ぶ
(2)保障される理由
→人権は、人が生まれながらに有している普遍的権利
日本国憲法は、国際協調主義に立つ
2.外国人に保障される人権
(1)精神的自由権
→原則として保障されるが、政治活動の自由は、我が国の政治に影響を及ぼすものは制限される
(2)経済的自由権
→原則として保障されるが、国家政策の観点から、特定の職業への就業や土地取得の制限あり
(3)人身の自由
→最も基本的自由であり、外国人にもそのまま保障
3.外国人に保障されない人権
(1)社会権
→各人の所属国によって保障されるべき権利であり、当然に外国人に保障されるものではない
(2)参政権
ア選挙権
(ア)国政選挙
→国政の選挙権は国民主権の原理に基づいて認められる権利であり、外国人には保障されない
(イ)地方公共団体の選挙
→外国人に認めるか否かは立法政策に委ねられている
公務就任権
(ア)国籍条項
日本国籍必要
(イ)公権力の行使等以外の職種
→これらの職種については、国や地方公共団体の判断で外国人でも任用可
(3)入国の自由
→外国人には保障されない(国際慣習上、国家の裁量)

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憲法 第四版

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憲法

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