ギャラリー惺のグループ展「紙の上の思考V」で佐藤万絵子を見る

 東京吉祥寺のギャラリー惺でグループ展「紙の上の思考V」が開かれている。参加しているのは4名で、小高由里子、佐藤万絵子、藤崎美和、山神悦子だ。
このうち、佐藤は以前から気になる作家で1975年、秋田県生まれ。1998年に武蔵野美術大学油絵学科を卒業し、2000年に同大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了している。2001年にOギャラリーTOP・Sで初個展、以来スペースKobo & TomoやαMプロジェクトのASK?、ARATANIURANO、所沢ビエンナーレの第1回と第2回、アサヒ・アートスクエア、なびす画廊など何回も個展を開き、グループ展に参加してきた。私もここに挙げた展示を見てきたが、いつも会場いっぱいにドローイングを展開してきた。ときには会期中の会場に泊まり込んでドローイングを続けていた。
 さて、今回のギャラリー惺でのグループ展は4人が1面づつの壁に小品を展示している。次に掲げたのが佐藤の小品だ。



 これらの小品は独立した作品としてみれば多少なりとも弱いのは否めないのではないか。佐藤はやはり大きなインスタレーションの作家だろう。昨年のアサヒ・アートスクエアやなびす画廊の個展では、「抽象的なインスタレーション」という不思議な印象をもった。その特異な作家の小品という位置づけなのではないか。
 ほかに山神悦子の小品を撮影してきた。山神は1950年香川県生まれ。お茶の水女子大学家政学部を卒業し、アメリカ、スイスに滞在し、大石洋次郎、黒田克正に師事してきた。今回は墨のドローイングを展示している。作品を下に掲げた。

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「紙の上の思考V」
2018年1月27日(土)―2月11日(日)
12:00−19:00(最終日17:00まで)月・火曜休廊
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ギャラリー惺SATORU
東京都武蔵野市御殿山1−2−6 地下1F
電話0422-41-0435
http://gallerysatoru.com/
JR中央線総武線井の頭線 吉祥寺駅公園口より徒歩7分