色即ぜねれいしょん


 みうらじゅんの漫画を原作としている。みうらじゅんという人物。ガロに彼の漫画が載っていたことは知っていたが、あまり好きな絵柄ともいえず、しっかり読んだことはなかった。ときどきテレビに出て面白いコメントをする人だなあと気にはしていたが、今回この映画を見て、実に興味深い人であることに気づく(遅いか)。このお話に出てくる主人公の名前が「じゅん」で、こりゃみうらじゅんの自伝的ストーリーなのだろうか?ともかく面白く見た。高校生の赤裸々な心情がストレートに描かれている。そこが気持ちいい。主演したじゅん役の子もなかなか熱演で、文化祭で一人で熱唱する場面もこうした映画では、なかなか恥ずかしいシーンになりがちだが、そういうこともなく、まあヤンキーと仲良くなるっつうのは無理を感じたが、彼を取り巻く家族や友人、彼女自然に描かれていて感心した。まさに青春ストーリーと呼べる作品となっている。A
 監督を調べてみると、自分と同年代(みうらじゅんも)。なんとNHKの「プロジェクトX」のあの印象的なナレーションをしている人だった。第1作が「アイデン&ティティ」という作品でこっちも見てみたい。
2009年 田口トモロヲ監督