恋するクルマ 〜フィアット500

moeringal2008-03-16

運転苦手にも関わらず自動車工場勤務、という矛盾した環境に生きる私ですが、クルマそのものが嫌い、というわけではありません。むしろ見るのは結構好きなほうです。とは言え小学校3年生の社会科見学で某大手自動車会社の生産ラインを見学した記憶はサッパリなく、代わりに社員食堂の値段がやたら安くて憧れた記憶だけがハッキリ残っているのでそこまで好きでもないのかもしれないけど(それにしてもあの工場にデスクとPC構えて仕事する事になるとは思わなかったわ、ああ。ちなみに食堂は当時よりバリエは増えてるっぽいけど思ったほど安くない)。あと昔も今も好きなクルマはもっぱらヨーロッパ・クラシックテイストなので、単に当時のト●タ車には興味がないだけかもしれないけど。つまり、当時の日本車にはまるっきり関心はないけど『ルパン三世カリオストロの城』でカーチェイスに使う小さなクルマにはちょっと憧れていたし、社会人になってからも何度となくVWニュービートルBMWミニの購入なんかを検討したり、ワーゲンのマイクロバスの写真集や携帯ストラップを購入したりしていたわけです。
…というわけでディーラーに足を運んでみました。お目当ては、3月15日発売のフィアット500。実は先日南イタリアを訪れた時、改めて激しく恋に落ちたクルマです。アルベロベッロやマテーラやカプリ島に完璧に馴染んでいたオールドモデル(30年も前に生産打ち切りしたとは思えないくらい大量に走っている)も、ローマでちょこちょこ見かけたちょっと間抜けなニューモデルも、あまりにも可愛くて悶え苦しむあまり写真をとり忘れていただけに、なんて完璧な発売タイミング。新車の発売日にディーラーへ行くなんて人生初です。もちろん試乗もしてみました。
うーーーーーー、やっぱ外車って運転難しいよー。
右ハンドルは右ハンドルなんだけど、基本は左ハンドル向けに設計しているのでウィンカーがハンドルの左、ワイパーが右についているあたり、既に日本車とは正反対で慣れない。さらにマニュアルベースだからオートマ同然の動きを見せるセレスピード仕様と言いつつ微妙に運転しづらい。オートマと違ってちょっとだけ動かしたい時もちゃんとアクセル踏まないし、走り出してもギアが切替わるのがハッキリわかって微妙に違和感があるんですよね。単に慣れないだけかな。
さらに値段。エンジン1.2リットルで250万円近くするんだもんなー。キャッシュで買える範囲内とは言え高いわ。恐るべし外車っていうかユーロ高…。
しかしこのクルマ、「それでもヴ●ッツに+100万出す価値がある」と思わせるだけのものがあるのも事実。ともあれインテリアがメチャ可愛い!!! ハンドルはアイボリーの皮風だしインパネは同系色のツヤありプラスチックが可愛くはめこんであるし各種スイッチはキレイに可愛く配置されてるしシートも可愛いし、もうミッドセンチュリー風のカフェそのもの! なんだもん。車なんて実際、外見見てるより内装見てる時間のほうが圧倒的に長いわけだから、乗ってるだけでウキウキする内装はやっぱり単純にスペックだけでは測れない(実はナビを着ける事を想定していないデザインでもあるのでナビ派には決定的に不便なんだけどそんな事はこの際関係ない)。
買うか買わないか、という話は敢えてしませんが、ともあれこれ、女子&オトメ心を解する男子は見て損はしません。外見も内装も、もはや自動車じゃなくて“自動車機能を持った雑貨”の域に突入してると言い切れるクルマ・フィアット500。いやむしろ必見です。とりあえず、私は南知多のすっかり寂れたチッタ・ナポリ(チンクェチェントのレストア車が大量に並ぶ博物館がある)へ行って、この情熱が本物かどうか改めて自分自身に問い掛けるつもりですけど…。