速報!『クトゥルー神話全書』



 Calls for Cthulhuさんマペットショウより、緑色のタコ神様によるハロウィーンを祝うお言葉。先日デビューさせたプティ・クティが何だか気に入ってしまったので、ムービーなり何なり作ってみたいと検討中であったりする。

 さて、時間があったらハロウィーンのお話でも書きたかったところなのだけれど、今日は昼過ぎから神保町ブックフェスティバルに出かけて、そのまま夕方からは某誌編集長との打ち合わせに転戦し、つい先程帰還したところなのでちょーっと時間が足りない。
 悪戯されてはかなわないので、こんな場末の日記に足を運んでくれる物好き方々のためにお菓子を投げておこう。



 東京創元社さんのブースにて編集某氏に聞いたところによれば、リン・カーター『クトゥルー神話全書』の発売は年内から「年明け」に更に延びたとのこと。翻訳出版は色々と調整事項が多いので、全部原稿がそろったからといってなかなかすぐに出版できるわけではないのである。30年前に刊行されるべきだった素晴らしい本なので、もうちょっとだけお待ちいただければと思う。
 せっかく時間的余裕ができたので、『全書』の発売前に、同じくリン・カーターが手がけた『ロード・オブ・ザ・リング指輪物語』完全読本』を読んでみて欲しい。


ロード・オブ・ザ・リング―『指輪物語』完全読本 (角川文庫)

ロード・オブ・ザ・リング―『指輪物語』完全読本 (角川文庫)


 こちらの原題は"Tolkien: A Look Behind the Lord of the Rings"。『クトゥルー神話全書』の方は、"Lovecraft: A Look Behind the Cthulhu Mythos"。題材こそ『指輪物語』にクトゥルー神話と異なっているが、アプローチの方向性で言えば「対になっている」とも言うべき副読本なのである。ちなみに、『完全読本』の第7章、トールキン教授が『エッダ』などの既存の神話を典拠に様々な固有名詞をこしらえたことを説明するにあたり、ラヴクラフトがダーレスの先祖をアレンジして「ダレット伯爵」の設定をこしらえたことが前例(『指輪物語』刊行は1950年代)として挙げられている。ラヴクラフトファンにとっても読みどころが多々あったりするわけだ。