寿司を喰らう。

今日は通夜があった。
しかし、その前日である昨日、故郷より友来たる。唐突に。何の連絡もなく。


マ「・・・・てめ、俺明日通夜なんだぞ」
友「・・・あー、ゴメン。でも泊めて?」

しかたねーから泊めてやりましたともさ、ええ。
ついでに酒買って飲んで寝ました。


そして今日、秋葉原にヤツを放置してきたついでに色々な文庫本を探して結局見つからなくて(´・ω・`)ショボーンとした後、家に戻り通夜の準備。
あ、ちなみにそいつとは前にメイド喫茶に一緒に行きました。あんま飲み物はおいしくなかったですが、メイドさんは綺麗でした。あと「お帰りなさいませご主人様ー♪」って言われました。

んで、久しぶりにスーツに袖を通し、着慣れない感触にへきえきしていると兄者に「うわ、似合ってねぇ」と言われ、納得しつつも釈然としない気持ちを覚える。どーせ俺はアキバ系だ!

して、家を出て電車を乗り継ぎ目的地へ。

到着駅からしばし歩き、(しかしこの時分でもスーツ姿で晴れの日の午後を歩くと暑いっス)会館に到着。
中に入るとすでに山形から飛んできた両親や東京の親戚などが集結していた。結構みんな沈んだ空気になっているのかと思ってたら、意外にみんなハッスルしてたり笑ってたりと普段とあまり変わらない雰囲気。しかしなんだかわからないけど、忙しく立ち回っていたのでなんかやることないかと聞いてみたところ、とりあえずそこらへんに立ってろという指令を受ける。ので、ぼーっしながら背筋を伸ばしてそこらへんに立つ。

んで一時間後。

マ「母さん、腰が限界です!」
母「おめ二階さ行てれ」

とりあえず二階でぼーっとしてると、十分後に叔父よりビデオで通夜の式の様子を撮ってくれないかとの依頼がきたので引き受ける。初ビデオでちょっと緊張しました。

で、開式。

次々と来る親類縁者や一般の人。
とりあえず部屋の入り口の受付のところからマジメに撮ってたが、式半ば、イトコが遅れてやってくる。





久しぶりに会ったイトコは、髪型がマッシュルーム型になっていた。



爆笑しそうになるのを必死でこらえ、「|=゜ω゜)ノィョゥ」「|=゜ω゜)ノィョゥ」と久方ぶりの再会を祝する。もちろん髪型はあえてスルーだ。
その後色々話をして笑いをかみ殺してたりしてたら兄者に「マジメにやれ」と怒られる。
すんません叔父。しかしなぜ僕らはバイトの賃金の話で笑っていたのだろうか。
そして式も半ばに入り、焼香の後、ひたすら長い読経へ。
焼香の後から同じ絵ばっかり続いていたので電源を切ってイトコと話す。


そして開式から一時間を経とうとし、部屋の中にそろそろ終わりそうな空気が漂い始める。主に式に参加してる人々の間で。

しかし坊主の読経はまだ終わらない。

開始から57分あたりでのイトコとの会話。小声で。

イ「終わんねーなー、もうすぐ七時だってのに」
マ「あ、でも仏教だしそんな狙って終われるような」
イ「わかってねーな坊主だって金もらってやってるビジネスなんだよ。客のニーズに答えらんねーよーじゃ仕事にゃなんねーだろうが」

そんな話をしつつも立っていたけど、五分過ぎてもまだ読経は終わらない。
参加者の間にダレ気味の空気が流れ始め、(ちなみにその微妙な首のかしげぐあいなどもバッチリビデオに録画)シビれを切らした最前列にいた叔父の兄が席を離れ坊主に何やら耳打ちを。それまで眠くなるようなリズムだった木魚の音が徐々にスピードアップを始める。
しかし十分を過ぎた時点でも読経をまだ終わらない。
緊張した式の雰囲気の水面下で流れるダレた空気はもはやマックス。
しかもこの後の式の予定も押していたらしく、会場の係員の人がススッと坊主の側に行き、耳打ち。
すると、木魚のペースが当初の二倍速までに。


んでやっと終了した後、なぜか遺影の前で親戚間で記念撮影。
何考えてんだウチの一族は!と思わないでもなかったが、とりあえずカメラの前でポーズを取る親戚一同の様子をビデオに収める。

んで、その後は会館内で食事に。つーか通夜って楽しくワイワイやるものなんだっけ?
50人ほどいる親類縁者がそれぞれ杯を上げ勝手に飲み食いを始める中、俺と兄者とイトコともう一人のイトコは同じテーブルに座る。
ちなみにもう一人のイトコは190cmを越すイケメソのバレーボール部員である。ので親類一同から「でっかいねー!」「でっかいねー!」と言われまくっていた。

それはともかく、久々の再会を祝し、とりあえずビールを開けて飲む。正直梅酒とか甘い酒の方が好きだがビールも嫌いではないのでグイっといく。
そして目の前には寿司の盛り合わせ。
朝からウィダーインゼリーしか食ってないとか何も食ってないとか190cmの体を持つ二十代前後(つか10代オレだけ)の健康な男が集まれば、それはつまり野獣の群れの中に霜降り肉を放り投げたシチュエーションとなんら変わるものではないので、見る間に寿司は減っていき五分くらいで空に。

兄者「あ、親の方の寿司余ってんな」
イケメソなイ「交換してもらうか」
イケメソじゃないイ「よし行け最年少」
マ「俺かよ」

そんな会話をしていると、側に係員の方がススッとやってきて、空の寿司皿を満載の寿司皿とさりげなく交換。

マ「あ、交換してくれんだ」
イケメソじゃないイ「よし食うべ」

ガツガツと喰らう四人。

そして空に。
と、同時に近づいてきた係員の方が空の寿司皿を満載の寿司皿と交換。

マ「・・・うわお」
NOイケイ「さすがに三皿はキツいな」
兄者「イケる?」
YESイケイ「モチ」

そしてビールを茶代わりに再び喰らい始める四人。
ペースは一皿目の数分の一に落ちたものの、最終的にはほぼ空に。

大変おいしゅうございました。

その後解散し、一路帰路につく俺たち。

そして明日は葬式だけど、果たしてどうなるやら。
まぁたぶん、昨日みたいな脳天気な感じにはなんないだろうけど。