BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

夏アニメ、感想。

といっても1作品のみ。2クール作品で厳密には夏アニメじゃないし。

サクラクエスト

全 25 話。全話ニコ生で観た。
派遣バイトで過疎の町の復興大使『チュパカブラ王国 国王』に任命された東京から来た女が、地元で働いていたり諸々の事情で都会から移ったりしてその町で暮らす女4人を仲間にし、人口減・高齢化が進み山林や田畑の他にはシャッター商店街が並ぶだけの寂れた町に活気を取り戻そうと奮闘する話。
前期同様、「花咲くいろは」 「SHIROBAKO」を超えるものでもなければ、並べて語るほどにも及ばない、かなり見劣りのする作品だった。終盤は町の存亡や町民の成長を描くことにテーマが収束していったけれど、そこまでは主役5人の成長や他の町民との交流など、どこを主題とするか迷走しているところがあったように見えて、それが全体の話のテンポの悪さにも繋がっていたような気がする。それと『クエスト』要素もたいして必要性があったようには見えなかった。ふつうに若い女性5人が町おこしに奮闘するというだけではアニメ映えしないから、みたいなしょうもない発想で付け足されただけでは、と思った。
ピーエー作品だからというだけで期待するのはもうやめよう。



秋アニメも観たい作品はなさそう。
アニメ趣味、終わってるな。



甲鉄城のカバネリ

夏アニメでもなければ今年のでもない。昨年の春アニメ。
戦国日本、もしくはそこから江戸後期ぐらいの文化がそのまま続いたのちの大正あたりの時代を舞台に、世に蔓延る不死の亡者『カバネ』の脅威から生き逃れようと、蒸気機関車で野山を駆け戦い続ける人々、およびその中で亡者ではないカバネ『カバネリ』となりカバネに立ち向かえる力を得た少年の話。
進撃の巨人」の監督・荒木哲郎ほか、豪華スタッフによるオリジナルアニメ。というだけあって、それなりに見応えのある内容だった。「進撃の巨人」がひとつの国の砦、固定された舞台であるのに対し、こちらは主要舞台を蒸気機関車としているのでほぼ常に舞台が移動していく。が、目立つ相違点はそれくらいで、主人公が特別な存在になったり、主人公格のひとたち皆親類を脅威たる存在に殺されていたり、同じ人間同士の中に敵対関係があちこちあったり、ストーリーは似たようなもの。制作陣が「王道」を謳うだけあって、何が起ころうともだいたい安心して観られる。良く言えば安心、悪く言えば予定調和。様々な作品のおもしろいところごった煮寄せ集めいいとこ取りした感じ、と言えなくもなかった。
話題になった反面、大した評判を聞かないのはそのためなんだろうな。と思った。

あと最近は

LINKIN PARK「ONE MORE LIGHT」。
以前好きだったが、数年興味を失っていた。今夏、ボーカルのひとが自殺したというニュースを知って、再び目を向けた。最新にして最後のオリジナルアルバムとなった「ONE MORE LIGHT」、そのタイトル曲をニュースののちにユーチューブで聴いて、なんとも言えない気分になった。物悲しさを誘うギターの音色に、リズム隊は入らず、亡くなったそのひとが自分の死を悲しむかのような寂しい歌声で歌うその曲に、泣いたものか落ち込むものか、感動とは言えないへんな感覚を味わった。故人の死を惜しむにも、その故人が悲しそうに歌っているから、どうしたらいいやら。
iTunes でアルバム全曲を試聴した。どれもかつての激しいミクスチャーロック、オルタナティブな音楽性は一切無く、むしろ流行りの EDM 的要素が強かったり、売れ線洋楽ポップス路線の曲調ばかりで、最初はなんじゃこりゃと拒否反応があった。が、数日後には購入していた。そして、ここ数年で最もよく聴いたアルバムとなった。
10 曲 35 分ぽっちという短さもいい。英語はよくわからないが、明るい穏やかな曲調とは裏腹に内省的な苦悩や、タイトル曲に象徴されるように誰かを偲ぶような悲しみの込められた歌が多いことはなんとなくわかった。ジャケット写真もとても良い。この写真でなかったなら、「ONE MORE LIGHT」もそんなに聴かなかったかも。

One More Light