TPP問題を斬る
三橋貴明氏を検証・・・・・・・・・・・・85%
TPPはアメリカの対日輸出戦略
一般的に、TPPは多国間の自由貿易協定だと思われているが、実際はアメリカの対日輸出を増やすための戦略の一種である。はっきり言って、他に目的はないのだ。
TPP参加国・参加検討国のGDPの割合を見れば一目瞭然で、アメリカ六十六パーセント、日本二十四パーセントと、日米だけで全体の九割を占めている。経済規模からして、日本にとって輸出先はアメリカしかなく、逆もまた然りである。
ご承知のように、リーマンショック以後、アメリカの景気は悪化の一途を辿っている。
昨年末に横浜で開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の演説で、オバマ大統領が「この地域で輸出を増やすことに大きな機会を見出している」と明言しているように、アメリカの景気回復のためには、日本への輸出拡大が急務だ。
しかし、アメリカの製品やサービスを日本市場に売り込む時、そこには関税以外にも様々な妨げ(非関税障壁)が存在する。
その代表が日本語なのだが、関税のみならず非関税障壁も撤廃し輸出拡大を図ることが、TPPにおけるアメリカの目論見なのである。
言語や文化、法律などのあらゆる非関税障壁を撤廃して、人・モノ・金・サービスの移動をすべて自由化する。これがTPPの本質なのである。
日本のアメリカ化を引き起こす
しかし、TPPをはじめとする自由貿易協定は、供給を高めるものである。国内の供給能力に加えて、輸入という形で海外企業の供給能力を使えるからだ。
また、現実の需要であるGDPとは個人消費、民間投資、政府支出、純輸出の合計である。
いま民主党がやっている無駄の削減や事業仕分けなどは、政府支出を切り詰めるもので、
需要の削減に他ならない。