双葉町井戸川町長の訴え

追伸(11/6夜):話が前後することになるが,11月2日,国連人権理事会が「福島住民の健康の権利を守れ」と勧告を出している.これがなかなか報じられない.3日夜になって朝日新聞がネットで流していた.それからいくつかのブログがこれを紹介.こちらもようやく先ほど知った次第.
子供の被曝を避け集団疎開を求めて郡山市教育委員会を訴えている「ふくしま集団疎開裁判の会」の代表らがスイスのジュネーブで開かれている国連人権委員会にあわせてジュネーブを訪問,NGOとして国連内で演説を行なった.その代表の中に福島県双葉町の井戸川克隆町長が参加,講演を行った.NHKはじめ大手の報道機関は北朝鮮や中国の人権問題ならすぐ報道するが,このジュネーブ国連人権委員会での日本人の発言は一切報道しない.しかし今はそれとは別の情報手段がある.ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪ 2011年3月11日。その後私は変わりました」さんがそのほとんどを起こしてくれている.「ブログの内容の転記はご自由にどうぞ」とあるのに甘えて,心から感謝してここに紹介する.
世界に訴える!「どうか皆さんの大きな声で救ってください」井戸川双葉町長10/30ジュネーブ(書き出し)
世界に訴える!<ジュネーブ後半>フェルネックス博士・柳原弁護士・福島の母・郡山市中学生(ツイート同時通訳と日本語は書き出し)
<ジュネーブ記者会見>井戸川町長・柳原弁護士・垣内さん10/31(内容書き出し)
追伸:金曜行動における柳原弁護士のあいさつが加わった.<ジュネーブ報告>「これから世界に向けての福島の声を伝える第一歩が始まる」柳原弁護士11/2文科省前
私もまだこれらを十分読みこなせていないので,意見は控えたい.それぞれの人がわが事としてこれを読むように訴えたい。その上で井戸川町長の記者会見での最後の言葉は身につまされる.町長がジュネーブにまで行ってこれを訴えなばならないのが,今の日本である.

こんな状態にいる私たちを世界のみなさんから大きな声を出していただいて助けていただきたいと思います。わたしたちは、難民なんでしょうか? 人権がないんでしょうか? 事故を起こしたのは東京電力です。それなのに私たちは責任を負うような立場に追い込まれております。このような発言の機会を頂いてありがとうございます。どうかみなさん助けていただきたいと思います。

福島の人間に人権はないのかという町長の訴えは切実だ.これは沖縄において人権はないのかという問いと重なり,そしてそれはつまり日本について,実際のところ基本的人権はないということを教えている.これが今の政府の下の世の有り様である.地震列島に原発を作り,福島第一の事故後も情報を操作して事態の真実を隠し,核汚染を世界にまき散らしながら誰一人責任を取らず,福島を見捨てる.それどころかさらに世界の原発製造を独占しようとする.これが日本政府であり,原子力村であり,旧体制である.これを存続させることは人間と地球に対する冒涜である.日本列島弧に住むのものの責任において原子力村を解体し,旧体制を終わらせねばならない.そして,世界にまず核汚染をまき散らしてきたことをはっきりと謝罪し、そのうえで人類の叡智を集めてこの惨事に対処しなければならない.
私自身ができることとして,福島告訴団関西の呼びかけていた第二次訴訟団に加わった.10月の15日が締切りということで14日に送金手続きと委任状の投函をした.それぞれが考え決めるべきことなので,締め切り過ぎたらここに書こうと思っていたのだが,締め切りが31日まで延長になり,10849人結集の告訴団になったとのこと.日本の裁判所は,組織的には最高裁事務総局がすべての権力を握り、良心的な裁判官を排除,原発問題と日米安保の根幹に関しては,それを守る最高裁判決しかありえないようになっている.つまり日本の司法と検察は旧体制の支配機構の一部である.だから現状のままの裁判で何かが変わることは望めない.しかし訴訟団に加わることは,まず個人の意志を明らかにするということであり,その上で,裁判を通して旧体制の非人間性が多くの人のものになり,裁判と内外で呼応して,この世をかえてゆく,そのひとつの力になればと思い参加した.