元ネタがない動画作品はナンセンスなのか

ニコニコ動画について言及しておこう。

システムや在り方や問題点などなど、論題になりそうなものを挙げればきりが無いほど昨今に刺激を与えている現在進行形のネット文化の娯楽の1つ。

取り分け今回は、ランキングシステムと流行について着目してみよう。



新しいもの好きだからなのか、それとも単に流行が好きなのか、人間はランキングに興味を惹かれやすい。

ランキングシステムとは、統計データの総括や基準・指標などの判断が本来の目的であり、言い換えれば案内掲示板のようなものにすぎない。

特に娯楽(テレビや雑誌などでも用いられるようなもの)の分野で用いられるそれは、指標というよりも道標である。

今はどんなものが旬なのか?最近注目されているものは何か?それは一体どんな内容なのか?

指標も道標もこう言えば聞こえ方は同じだが、何かと意味合いが変わってくるのがポイントだ。

指標は判断材料として活かすものに対して、道標はそこに向かうための参考程度にしか扱われない。

私たちが身近に参考としているランキングは、それこそ道標でただの案内掲示板で役目を終えている。

別にランキングを活かせといってるのではなく、そもそもそういう風に扱われているのが世間一般的・主流でしかないにすぎない。

仮に私たちが活かすとしても、それは道標であって指標ではない。

だいたいの人は今後に役立てるために見るのではなく、見ているその瞬間だけ役に立っているのである。

それが私たちが望んだランキングの使い方であり、ニコニコ動画もそういうふうにできている。


ランキングシステムの利点は、前述したとおり"注目されている旬のものが一目で分かる"という事に尽きる。

これはニコニコ動画に限らず、全ての分野に共通して言えるランキングの存在意義である。

ユーザーの誰もが知っているらしい何かを知るには、まさにうってつけの案内資料だ。

再生数およびコメントとマイリストの数に応じて上位に上がるシステムなので、ユーザーが食いつけば食いつくほどランキングのトップへ上る。

この動画に対する食いつき(レスポンス)が大きいものが、ニコニコ動画にとって"評価されたもの"とされるのであろう。


そんなランキングシステムだが、ニコニコ動画の場合、星座占いだとか人気のラーメン屋だとか、そんなチャチなランキングとは比べ物にならない規模であるため、カテゴリ分けがなされている。

反面、ジャンル全般を扱う総合ランキングではカテゴリに関係なくソートされるため、是が非でも内容に偏りが生じてしまう。

誰もが目をひくユニークな内容だとか、過去の動画が何らかの拍子でランキングに再浮上したりすることを除けば、ニコニコ動画のランキング上位に上がっている動画は大方、一部のジャンルで偏っている。

このランキングの偏りによって分かることとは、ユーザーの一部がどのようなジャンルに興味・関心があるのかが一目瞭然であること。

そこから導き出される人気のジャンルを選定していけば、ニコニコ動画にとっての流行というものが目に見えてくる。


ランキングの弊害は、この偏ったジャンルがニコニコ動画にとって一般的な内容という認識になってしまうことである。

数年を経てユーザー数も動画投稿数も増え続けている昨今、普段からニコニコ動画を見ない人たちがランキングを参考にと思ってしまえば、否が応でもその偏りを目の当たりにする。

初期の頃は話題となる動画が数十本で落ち着いていたことと、今までに無かった新しい文化だったということもあって、ジャンルを問わずに動画を漁った人もいるのではないだろうか。

無論、今はそういう人がいないというわけではなく、ただ単に昔話をしているだけなのだが、それは今と比べればバランスが取れていたという証明でもある。

バランスといっても、元からアニメ・ゲームの話題が強かったのは違いないので、当時はまだ偏りが大きくなかった、と言いかえておこう。

偏りが大きくなかったということは、それなりに見る動画のジャンルが分散されていたということ。

つまり、1つのジャンルでコミュニティを形成するのではなく、複数のジャンルを話題にできたのである。

YouTubeで話題だったようなものからアニメのMADムービー、ゲームのプレイ動画を編集したものなど。

ニコニコ動画というだけで、1つのコミュニティが語り合えた時期が少なくとも存在した。

今もどこかでジャンルを問わずにニコニコ動画を語れるコミュニティはあるかもしれないが、どれくらい存在するか気になるところだ。


そんな感じでニコニコ動画は1つの文化ではなく、複数の文化が集まった形へと進展していく。

そもそもの動画共有サイトとはそうあるべきだと思うが、この場合、各々の文化の規模に差が広がりすぎている。

文化ごとに広がる規模の格差は、ジャンルごとに島宇宙化しているといわれるほど大規模な事態と言っても過言ではない。

※参考「パトス・ハメ : 第2号バックナンバーその2」
http://www.voltagenation.com/blog/?p=120

音楽業界からの視点でさえそういう状態なのだから、全てのジャンルを島宇宙として捉えてしまえばなおさらではないだろうか。


特に初期から支持されているアニメ・ゲームの類は、ユーザー層の偏りに一番拍車がかかっているため、総合ランキングから消える日はまず来ないだろう。

また、アニメ・ゲームといっても、さらに細分化していけばそれらの具体的な偏りもはっきりしてくる。

アニメの場合、ハルヒらき☆すたけいおん!といった京都アニメーション関連が多い。

作品の性質が功を奏しているのか、過去作品ですら新しいMADムービーが登場したりするほど人気がある。

基本的にアニメの場合、長期的には支持されない(支持しようにも他のアニメ作品や次期のアニメ作品を考慮すると維持できない)傾向があるので、京アニはそれだけ異端な存在といえよう。

他のアニメが全く支持されていないというわけではなく、常日頃ランキングに反映されるかどうかという意味で解釈していただけると幸いだ。

また、支持されているアニメだとしても、主題歌だけとか登場人物だけとか台詞だけが目立ってしまい、肝心のアニメに注目されないという例がいくつかある。

さらに、地方格差やそれ以前に作品数自体がインフレを起こしていていて、なおかつ時間を要するなどの理由から進んで踏み出すユーザーが少ないことも一因として挙げられる。

かといって、ニコニコ動画で1つのアニメだけに粘着するという人はまずいないだろうから、ジャンルの偏りという意味では問題ないと思われる。


それ以外で強力なのは東方ProjectアイドルマスターVOCALOIDの3つだろう、御三家などと呼ばれるほど圧倒的な支持がある。

東方Projectは二次創作の場である同人というジャンルから生まれた、前例を見ない二次創作環境の拡大と進歩を見せ付けた。

原作そのもののアイデンティティは勿論のこと、二次創作活動を公認することで利権的リスクが減り、そこから膨大に構築されていった世界観や人間関係など、そしてそれらを通じてコミュニティが形成され、圧倒的な支持を得る結果となった。

アイドルマスターニコニコ動画の初期から支持されている数少ないジャンルである。

ゲームに登場するキャラクターたちが魅力的で、なおかつゲームのシステムがユニークだったこともあり、MAD素材として非常に優れているので、現在もあらゆる種類の動画が投稿されている。

ゲーム中に使用されているBGMや楽曲なども全体的にクオリティが高く、歌ってみた系や踊ってみた系といった動画などでも使われるなど、別方面でのクロスオーバーも人気の一因だろう。

VOCALOIDはアニメ・ゲームというジャンルが初出ではない(関連性もほとんどない)が、その特殊な性質上、多数の動画を生み出す結果となったのは確かである。

これはあくまで私の主観なのだが、VOCALOIDについてはユーザー毎に解釈が異なりすぎる部分があり、状況が非常に掴みづらい。

詳しいことは別の機会に言及すると思うが、どうしてここまで大きくなったのかは、前述した東方とアイマスに通ずる部分を探してみれば分かると思うが、いずれもニコニコ動画では些細なきっかけと爆発的なムーブメントを経て支持が大きくなっていったのは間違いない。

アニメと比べても、特に御三家と呼ばれるそれらは長期的な支持と動画の繁栄を可能としている。

それは著作権の関係だとか、アニメやマンガの作品数の膨大さについていけないだとか、ついていける作品は限られるだとか、作品そのものの内容だとか、信者だとか、アンチだとか、そういうことを全部含めて、あらゆる要素が相乗効果を生み、爆発的な規模を構築させ、今のニコニコ動画という文化を形成してきた。

結果的にその大規模な支持を得る幾つかの島宇宙ニコニコ動画の中心に君臨する空間となってしまい、ランキングを参照するユーザーらはその中心となる文化へと各々が分散される可能性が高い。

これらを踏まえた上で流行について考えてみよう。


流行とは何か?それはその瞬間、最もレスポンスが多い存在を示す。

食いつく人が多いということは、何かしら注目されるようなものなのだろう。

レスポンス(反応)が多いということは、注目されるべきものなのだろうか。

言うまでも無く、流行するものと、評価されるべきものは必ず一致しない。

しかし娯楽的な流行は、楽しむものであり、面白いものであり、気持ちが満足しなければならない。

評価されるべきものは、楽しくて、面白くて、気持ちが満足いくものとは限らない。

それはただのプレイ動画だったり、出来損ないのMADムービーだったり、映像無しの音楽作品だったり、理解できない技術だったり、ただのメイキング映像だったり、投稿者の自己満足だったり、ドイツ語だったり、空耳だったり、レスリングだったり、自分に興味のないことだったりで、自分に合わない娯楽を娯楽と言う人はいない。


ニコニコ動画は娯楽であるか否か、それは人によって答えが違うだろう。

資料的な動画もあれば、勉強になったり参考になったりする動画だってある。

試聴的な動画もあれば、BGMに活用したり音楽そのものを楽しめる動画だってある。

実験的な動画もあれば、ちょっとした応用で新しい発想へと繋がる動画だってある。

それらを娯楽と捉える人もいれば、そうでない人もいて、娯楽の定義すらニコニコ動画では曖昧だ。

動画共有サイトの本質みたいなものを、誰が知っているかすら曖昧になっている。


そもそも私たちは、どんな動画が日々アップロードされているか知っているのだろうか。

投稿されている動画を全て把握することは、まず誰にもできないし、したくないだろう。

その中でもユニークで注目されるべき動画というのは、必ずレスポンスがあるはずだ。

しかしそれは、その動画を視聴したユーザーたちに判断が委ねられる。

そのユーザーたちの知識量と判断能力と気分と感性によって、その動画のコメント数ないしマイリスト数が増える。

レスポンスが増えれば増えるほどランキングシステムに姿を現しやすくなり、きっかけがあれば流行が爆発する。


では、その注目されるべき動画を見つけ出すにはどうしたらいいだろうか?

動画データにはタイトルと投稿者の説明欄、そしてタグが設けられる。

動画に関する情報はその3つに記されており、ユーザーの興味をひかせるための重要な情報源となる。

そして新着一覧や検索などで投稿日時がなるべく新しいものを、前述した情報源を頼りに探す。

その中から気になるものを開いてみて、レスポンスをするかどうか判断すればいいのだ。


注目されるべき動画を探すとはいえ、ここまでしなければ見つからないものなのだろうか。

それに、自分の分かる範囲でしかどのみち検索できないから、それ以外の注目されるべき動画を知る手段があまりない。

そもそも、自分の知っている事にしか基本興味がないかもしれないし、他の動画はどうでもいいかもしれない。

そうして結局「けいおん」だとか「初音ミク」だとか「ヘタリア」だとか「東方」だとか「七色のニコニコ動画」だとか「アイマス」だとか「松岡修造」だとか手当たり次第に話題のものだけを検索するのだろう。

知らないことをわざわざ知る必要も無い、面白そうな動画を探すのも知ってる範囲で十分だろう。

本当にユニークであれば、ジャンルに関係なくランキング上位に表示されているはずだから。

それは誰だってそうだろう、私だってそんな感じでしか使ってない。

ただ、私は前述したキーワード以外に見たいものや知りたいものがあるので、ここ最近はランキングに上がっている動画を3個以上チェックする気になったことはない。

1〜2個はチェックしているという意味に取れそうだが、毎日か毎週か毎月か毎年かの判断は任せる。


で、結局のところ、ニコニコ動画における流行とは何なのか?

それは、ニコニコ動画の中で確立された幾つかの島宇宙たちにおいて、島宇宙のいずれかに見合った内容の動画が投稿された場合、一部文化のユーザーの気持ちが満足いくものであれば多大なレスポンスが得られ、きっかけがあればランキングの上位に浮上するという、一連の流れの結果である。

故に、ユーザーの圧倒的な支持を得ている東方・アイマス・ボカロの存在は、ニコニコ動画のランキングサイクルに多大な影響を与えているのは間違いない。

それはユニークな動画を見つけた投稿者の先見性があっただけかもしれないし、動画を制作したクリエイターたちの創作本能の賜物かもしれないし、それらの動画に答えたユーザーたちの支持のおかげかもしれない。

それらは評価されるべきなのだろう、評価されたのであろう、評価された投稿者のみなさん、本当におめでとう。

ユーザーにとって楽しくて、面白くて、満足する動画は、娯楽主義大衆によって大量に評価されていきます。

似たようなものでも、そこそこ満足できれば再生数も伸びてコメントも投げられてマイリスト入りします。

あらゆる相乗効果でランキングトップに到達したような動画であれば将来性も抜群でしょう。

私たちの分かる範囲で評価してきたそれらは、たしかに私たちから見れば凄いに違いない。

ランキングに入るほどレスポンスがあるのだから、それは間違いなく盛り上がっているのだろう。

私たちの分かる範囲で盛り上がる程度にユニークで注目されるべき動画なのだろう。

流行なんてものは所詮その程度、端から本質を見失っている存在に過ぎない。


本質って何よ?という問いに対して言葉で理解できるなら誰も苦労しないし、そう思ったなら自分で確かめた方が断然早い。

それが面倒なら気が向くまで一生理解することもないだろうから気にすることもない。

好きなことだけ知り尽くして、知ったことだけ好きになればいい。

むしろ好きなことを知り尽くしているのであれば、好きなことの本質をつかんでいるはずだ。

ランキング入りしている内容の偏った作品だって、その文化の中で言えば一押しのはずだろう。

ただ、島宇宙があまりにも大規模すぎて、本質を評価する前に、本質以外の盛り上がりやすい要素が化学反応を起こしてしまうから評価ができなくなっている。

それによって、ほかのジャンルの本質まで隠してしまっているのだ。

小さな島宇宙が時々ランキングに上がってくるのは、その文化でたまたま盛り上がった結果なのだろう。

同じような内容ばかり並んでいるランキングの中に、何故かそこに表示されている違うジャンル。

YouTubeで話題のものだったり、本格的に斬新だったり、過去の動画が何らかの拍子で再浮上したり。

むしろ全体的にそうあるべきだと思うけど、今のニコニコ動画はそうはいかないらしい。


何を楽しむか、何を知るかはユーザーの自由だと思うし、私もそう思う。

しかし、ユーザーがついていけるジャンル数には必ず限界があって、必ず知らない分野が現れる。

何を知るべきか、何を見るべきか、何を楽しむべきか、何を面白がるべきか、何をもって満足とするか。

それらの判断基準は自由であり、ニコニコ動画をどうするもユーザーの自由である。

あまりにも自由すぎるがために、1つの島宇宙にすがっている人も中にはいるだろう。

そのまま1つの島宇宙を堪能するもよし、複数の島宇宙を駆け巡るもよし、縦に深く掘り進むか、横に浅く掘り広げるかのそれだけの違いだ。

もしジャンルを限定しているのであれば、深みを極めていただいて本当の注目されるべき動画を教えてほしい。

そんな感じで身近な人たちの何らかの専門家みたいなのになっていただければ、それで十分だと思う。


それに今時、浅く広くノンジャンルで探るという人はなかなかいないと思われる。

1つの島宇宙の基礎知識を知るだけで満足してしまう人はいると思うが、その島宇宙の多さからそれさえ挫折する場合も珍しくないだろう。

そもそも、基礎知識がなければ楽しめない動画というのが問題ではないだろうか。

島宇宙の中でしか楽しめないはずのものが、総合ランキングで上位を占める現象は本来異常であり、つまりそれだけ島宇宙が肥大化した証拠というのは、これまで上述してきた内容からもご理解いただけているはずだ。

人は何故、元ネタや動画内容との相乗効果でこれほど盛り上がれるのか?

人は何故、よほど凄いもの以外は元ネタがないと盛り上がろうとしないのか?

答えは簡単、よく分からないことで盛り上がろうとすることができないから。

知らないことで盛り上がろうとすると、場合によっては勘違いだとか、かえって失礼だと思われるだとか、そういう謙虚な反応になりがちなのである。

そして何が面白いのかを無闇に思考してしまうので、純粋に楽しむことを放棄してしまう。

それが嫌という人が多いと思うし、わざわざそんな思いになるくらいなら見ないというのが大衆の意見だろう。

それでいて自分が分かる範囲であれば盛り上がるのだから、浅はかな人が多ければ多いほど哀れな結果が待っている。

謙虚な姿勢のままだから、何も進まないどころか無難なものばかりで落ち着いてしまい、つまらないなどと言われる。

よく分からないものでも盛り上がるとすれば、だいたい見た目で凄いと自分が分かる場合に限る。

やることなすこと超人的な動画だとか、人間離れしたテクニックを披露する動画だとか、そんな動画は今でも見かける。

毎日見ているわけではないので定かではないが、少なくとも定期的に見かけるジャンルではないだろうか。


さておき、そうやって"自分が分かる範囲"でとどまっていることが、ユーザーにとって最大の問題点だと私は考える。

娯楽に浸るあまり、動画の内容に対する思考を停止してしまっている。

これはテレビでもよく指摘される事だが、例えば一部のお笑い番組で面白さを保証するあまり、本当の面白さが追及されなくなっている。

それは視聴率の維持や視聴者の要望に応えた結果としてなされているらしいが、本質に肥えてる人にとってはあまりにも悲惨な内容だと思われる。

このように、自分の分かる範囲で満足するといった認識の浅はかさが、結果として本質そのものの低迷を促してしまうのではないだろうか。

無論、ジャンルにこだわるのは構わないし、1つの島宇宙でユニークな動画を追求していただいたって結構だ。

ただし、もしこだわりを持つとか物事に追求をするのであれば、何度も言うが徹底的にお願いしたい。

できれば流行っている動画を見るだけではなく、楽しそうな、面白そうな動画を探して見るべきだ。

ランキングを参考にするのも構わないが、決してランキングだけで満足してはいけない。

例えば地道にマイリスト数が増えている動画なんかをチェックしてみると、新しい発見に繋がることがあるかもしれない。

気になるジャンルで"もっと評価されるべき"タグがついている動画を探してみるのも悪くない。

そのタグがついているのは大抵、多少盛り上がっているがランキング入りするほどではないというものだ。

また、"評価されるべき"でタグそのものを検索すると、派生タグがいくつかあるのでそちらも見てみるといい。

特に"そっと評価されるべき"というタグは、流行に関係なく評価されているものが中にはあるのでおすすめだ。


そんな感じでいいので、自分が分かる範囲を少しずつ広げてもらって、知らない事を多少でも受け入れられる感覚を身につけていただければ幸いだ。

ニコニコ動画を見るために大事なのは、島宇宙ごとの基礎知識ではなく、動画を見る姿勢だと私は考える。

もちろん、基礎知識があったほうが反応しやすいし、専門分野となればむしろそれが日常茶飯だろう。

ただ、動画というものをちゃんと評価したいのであれば、偏った認識と視聴方法を改めるべきだ。

そもそも、ニコニコ動画ではニコニコ動画ならではの楽しみ方があることを私たちは知っているはずである。

そしてニコニコ動画にとっての本質は、そのあたりにあると私は考える。

故に、ニコニコでは島宇宙を把握するのではなく、島宇宙の一部を捕捉するだけでいい。

ニコニコ動画は、それだけで十分楽しめるし、勉強になることだって多い。

ニコニコに限らず、動画共有サイトを娯楽でとどめておくのは、非常にもったいない。

もっと視野を広げて、道標に頼らないで、指標になるものを探してみたらいかがだろうか。


可能であれば、ユーザー全体がそういう認識になってくれることを切に願う。