小学校から中学、高校を通じて、社会科は苦手な科目だった。だから、ロシア帝国、ソビエト連邦、そしてロシア共和国に関する歴史やその社会・政治のシステムに関することは良く知らないし、わからない。それでも「自壊する帝国」は、面白く読める。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/10/28
- メディア: 文庫
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作者の佐藤優氏が外務省に勤務し始め、当時のソ連でモスクワ大学に留学するところから話は始まる。そこからソ連が崩壊していくまでを、独自の視点で克明に描いている。上にも書いたように、政治がらみの詳しいことは良くわからない。だいたい、色んな名前のロシア人が入れ替わり立ち替わり出てくるのでそりゃもう大変だ。だけど、まるでスパイ小説か何かを読んでいるような面白さがある。ロシアでも、やっぱり義理を欠いちゃあいけねえ。サムライは信用されるんだ。
いや、話の内容もさることながら、やっぱりこの佐藤優という人物そのものが、とても興味深い。前作の「国家の罠」を読んだときも思ったのだが、このある種のストイシズムというのはいったいどこから出てくるのか。彼がキリスト教徒だからか?それはあるかも知れないけど、それだけでは説明つかないと思う。
一体、知性とは何か、教養とはどういうことか。知識人とはどんな人なのか、そんなことを色々と考えてしまう。
それにしてもよく飲むよなあ。ウォトカを何本、とか良く出てくるけど、読んでるだけで気持ち悪くなってくるよ。飲むだけじゃなくて相当食ってるし。そんな生活を6年以上も続けてたら、そりゃあんな体型になるのも無理ないわな。