『世界一の美女になるダイエット』エリカ・アンギャル

世界一の美女になるダイエット

世界一の美女になるダイエット

ミス・ユニバース・ジャパンの栄養コンサルタントによるダイエットの本。
ダイエットを始めて4週間になる。順調に体重を落としてきているのだけれど、あまり栄養面から考えてこなかったような気がしたので、ちょっと気恥ずかしいタイトルながら手に取ってみた。漠然と、朝はヨーグルト、昼は和定食、夜は野菜中心といった食生活をしていたのだけれど、もうすこし具体的な食生活の指針が示されていておもしろかった。特に新しく得た知識としては、「白いものは太りやすく老けやすい」ということ。白砂糖、白米、白いパン、うどんなど。血糖値が急激にあがるせいだとか。従って、「黒いもの」たとえば黒砂糖、蜂蜜、玄米、ライ麦パン、蕎麦などにせよ、という。以来、パン屋では黒いパンばかり買っている。
あるいは、「アーモンド」が血糖値を安定させて満腹感を得やすく、脂肪を燃焼しやすいという。だから間食には「アーモンド」、ただし食塩や油を使っていないものを、というので、さっそくアーモンドを常備。・・・・・・なるほど、食塩も油もつかっていない、ただのローストしたアーモンドってのは・・・・・・味気ないものでして、数粒で「満足」はいたしました。
あるいは、「コンビニご飯」のときは、魚の缶詰を、というので、これもトライ。まあ、イケます、「さんまの蒲焼き」とかね。ただ、「今夜はちゃんとした魚料理を作ろう」という気持ちにもなる。
エリカ・アンギャルさんのいいところは、日本暮らしが長い、ということだ。だから、「コンビニご飯」まで目が行き届く。これが、たとえばNY流のカタカナご飯ばっかりだったら、ミス・ユニバース出場者にはよかろうが、一般読者にはあまりおもしろくなかっただろうと思う。ミス・ユニバースになろうとは全く思っちゃいないけれど、知花くららみたいにぷりぷりのほっぺには、ぜひなりたい。

『現象学入門』竹田青嗣

現象学入門 (NHKブックス)

現象学入門 (NHKブックス)

全体的に「よくわかった!」とは、とてもとても言えないけれど、時々はっとすることが多々あり。
特におもしろかったのが、「近代の合理主義的世界観はガリレイの測定術に端を発する」(P113)というくだり。世界中の空間と時間が一定の数値で測量できるようになったことで、魔物や妖精の棲む森という「空間」も、霊的なものがざわめきだす夜という「時間」も、日常生活の「空間」や昼の「時間」と「均質な数値」で測れてしまう。それ以来、人間には「一切の自然の客観的把握の可能性」という概念が生まれたのだそうだ。でも、どこまで人間は世界を「客観的」に測れるというのだろう。数値化できないものは、存在しないというのだろうか。そこからフッサールの問題提起が始まる。そもそも「主観」と「客観」という枠組みを取り払ってしまおう、世界に「客観的真実」なんてないんだ、ということからスタートしよう、というのだ。
「主観」と「客観」という枠組みはすでに私の脳味噌の深く根付いてしまっているので、そこからフリーになるにはちょっとした慣れが必要な気がする。でも、一度感覚としてつかむと、なんていうのかな、「人間として生きている」という感じがする。自分は「もともと客観的真実がある世界に生まれ落ちた無力で無知な動物」ではなく、「人間」としてーnikkouの場合、具体的には日本語を使って世界を理解したり、nikkouの生活する環境のなかで経験を重ねたりして、世界を自分のなかで作り上げてきたんだ、ということだ。ということは、他者もその人なりの環境の中で世界を作り上げてきているのであって、どちらかが「客観的真実」を知っている、というのではなく、お互い作り上げてきた世界の中で共通の部分があるかどうかさぐり合って、それはどのように作り上げられてきたのかたどってみましょう、というのが「現象学」なのかな、と理解した。
ちなみに、石川輝吉「カント 信じるための哲学」を先に読んでいたので、なんとなくカントとフッサールがごっちゃになってしまう。というか、そもそもそれぞれいつの時代の人かもわからないで読み進めてしまった。時代背景も含めて、体系的に哲学の概要を知りたいなあと思う。