松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

米下院議員にメールを送っている! (Cその6)

「彼ら」は、彼らの愛国心に駆られて、米下院議員にメールを送っている!
彼らの論理の根幹は、「強制連行はなかった」つまり「慰安婦は自己責任による売春婦だ」というもの。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid234.html
ぼやきくっくり | 【テンプレ】慰安婦決議案 米下院議員にメールを

Dear Mr. Congressman XXXXX XXXX,(送り先の議員(Mr.=男性の場合)の名前)
(自己紹介などご自由に入れて下さい)
Please forgive us to send you this long e-mail to you suddenly. However, international credibility of Japan and United States of America is questioned by a Resolution going to be brought in to your congress by Representative Michael M. Honda (CA ・15).
(以下略)

■証言を覆しうるのは反対証言だけだ。

※※※「腰抜け外務省」さん作成の英文の和訳※※※

突然このような長文をお送りすることをご容赦ください。(略)
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid234.html
ぼやきくっくり | 【テンプレ】慰安婦決議案 米下院議員にメールを

彼ら自身による和訳。

4点について突っ込んでみた。
1.

同じ普遍的価値観を信奉する日本政府と国民は強い衝撃を受けています。

河野談話継承の立場に立てば、強い衝撃など受けることはできない。
2.

決議案に示された日本政府への非難は、全く事実無根の「反日宣伝」に基づくものだからです。
決議案にある「日本政府が1930年代から第二次大戦まで、アジアと太平洋諸島を植民地支配した期間、世界が『慰安婦』として知るようになる若い女性を性奴隷とした」「20万人以上が奴隷とされた」という事実は存在しません。

性奴隷ではなく売春婦であったという主張かな。
であれば、彼女たちにおいて「自由廃業の権利が認められていた」ことを示すべきです。
3.

その結果、「日本政府が慰安婦を強制連行した」という事実は全く確認されていません。

3は、2を否定することにはなっていません。
4.

談話は、民族の自決と尊厳を認めない帝国主義時代に多くの女性が戦地での日本軍人を相手とする売春業に従事せざるを得ず、苦痛を受けたことに対して遺憾の意と道義的責任を認めたものです。
日本政府は、日本が朝鮮を植民地支配して朝鮮人に苦しみを与えたことに関して「遺憾であり二度と繰り返さない」と認識し、慰安婦として苦しみを受けた方々への「お詫(わ)びと反省の気持ち」を表明してきました。これにはいささかも変化がありません。

なかった派は「多くの女性が戦地での日本軍人を相手とする売春業に従事せざるを得ず」と主張する。「旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した」という、軍あるいは日本国家による強制を認めない。これは河野談話の継承ではなく否定である。
5.

 今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
 なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。
 いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。
河野談話
http://kodonet.blog54.fc2.com/blog-entry-51.html

論点整理

野原の論点をまとめてみよう
(1)
■証言を覆しうるのは反対証言だけだ。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070310#p6
(1−2)質問 3人の証言のどこの部分を覆す つもりなのか?
この論点は、従軍慰安婦が強制かどうか反省すべきかどうかと無関係です。
(1−3)
河野談話継承と言いながら、ぐずぐず言うのは矛盾である。
いまのところ河野談話継承と言っているのは、安倍首相と「メールを送っている人たち」だけかな。

(2−1)「従軍慰安婦」は、軍が設置した兵站付属施設ので軍の管理下に「醜業」に従業していた。
従軍という形容詞は不当ではない。
「強制連行」の否定と「従軍」の否定が彼らの二大レトリック。
下にコピペした十条さんの意見も参考にしてください。

(3)
「当時の国際法に照らして違法でない」論が白人コンプレックス丸出しなのです。
参考 http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070309#p5

(4)
性奴隷ではなく売春婦であったという主張。
であれば、彼女たちにおいて「自由廃業の権利が認められていた」ことを示すべきです。
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070309#p1
「前借金」あるいはそれに相当するものが支払われた例は、全体の何割くらいなんでしょうか?

「軍慰安婦」もしくは「従軍慰安婦」

http://tech.heteml.jp/2007/03/la.html コメント欄の十条発言。

拾玖西觶さん
>常識的に考えれば、世界各地で見られたように、売春業者が、軍隊を追っかけながら、軍人を相手に商売をしていたんではないかと。
>軍隊内での性病の蔓延を防がねばならなかったので、慰安婦の健康管理をしやすくするために、売春業者に多少の便宜を払ったのでしょう。

それは拾玖西觶さんの主観的な思いこみにすぎないでしょう。
陸軍省副官発北支那方面軍及中支派遣軍参謀長宛通牒、陸支密第745号「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」(1938年3月4日付)の冒頭には、「支那事変地ニ於ケル慰安所設置ノ為内地ニ於テ之カ従業婦等ヲ募集スルニ当リ」とあります。 eichelberger_1999さんによると、この文の趣旨は以下のようなものです。
「中国に在る日本軍が軍慰安所を設置し、そこで働く従業員(=慰安婦)を確保するために募集業者を日本内地に派遣して募集にあたらせたところ」
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20070304/p1

つまり、軍の施設として軍は「軍慰安所」を設置したわけで、そこに働く慰安婦が「軍慰安婦」もしくは「従軍慰安婦」と呼ばれることは何ら問題ではないと思います。

投稿者 十条 : 2007年03月12日 01:14

従軍慰安婦問題の核心!!

 いわゆる従軍慰安婦問題の核心は、官憲による「強制連行」があったかどうかだ。

というのは「彼ら」の主張の核心であるわけですが、
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-97.html 13日の水曜日 さんによれば、
天下の読売新聞社説(3月7日)は「核心をそらして議論するな」というタイトルを掲げ、冒頭でそう断言している。

 この社説は米下院外交委員会の慰安婦問題に関する対日決議案に触れ、その内容は「日本の軍隊が若い女性を「強制的に性的奴隷化した」歴史的な責任を明確に認め、日本の首相は謝罪すべきだ、という内容だ。」と述べているのだ。であれば、反論は、「日本の軍隊は若い女性を「強制的に性的奴隷化して」はいない。」であるはずだ。「軍が直接あるいは間接にこれに関与した」ところの慰安婦の日常がどの程度奴隷的だったのかが核心であろう。
ところが、読売新聞(と安倍首相)は核心は「強制連行の有無だ!」と声を大にし続ける。
それしか反論の方法がないからトンチンカンと知りつつそれを強調し続けるのか。それとも長い間そう言い続けてきたので心からそのように思えてしまうのか。いずれにしても説得力はない。