ヘプセラ錠10、ゼフィックス錠100添付文書改訂*2

ヘプセラ単独使用が承認された。
ただし、非代償性肝硬変に対するヘプセラの有効性及び安全性は確立していない(使用経験が少ない)

ヘプセラの投与開始時期、投与期間、併用薬、他の抗ウイルス剤に対する耐性がみられた患者への使用等については、国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。なお、ゼフィックス耐性がみられた患者に対しヘプセラを投与する場合には、ゼフィックスとヘプセラを併用すること。その後、ゼフィックスを中止しヘプセラ単独投与にすることは推奨されない。

ヘプセラとゼフィックスの併用投与において、投与量の減量が必要な場合、ヘプセラは投与間隔を調整するのに対し、ゼフィックスは投与量を調整する必要があるので注意すること(ヘプセラの分割又は粉砕時の安定性に関するデータは得られていない)。

ヘプセラ単独投与における承認時までの調査症例52例中、4例(7.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その内訳は動悸、胃炎、発疹、貧血、鉄欠乏性貧血各1例(1.9%)であった(承認時)。
また、使用成績調査369例中、27例(7.3%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものはクレアチニン増加4例(1.1%)、腎機能障害3例(0.8%)であった(第5回安全性定期報告時)。
ヘプセラの重大な副作用として腎尿細管障害、ファンコニー症候群(頻度不明)を追記。
その他の副作用として頭痛(1%未満)、血中リン減少、ミオパシー、骨軟化症(以上頻度不明)を追記。


ゼフィックス長期使用に関する特定使用成績調査361例中、49例(13.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加等を含む肝機能障害又は肝機能悪化35例(9.7%)であった。これら35例中、YMDD変異ウイルスに起因した肝機能悪化は22例(6.1%)であり、ゼフィックス投与終了後の肝機能悪化は12例(3.3%)であった(再審査申請時)。

海外2試験における肝組織学的改善(1年目)において、ヘプセラ10mg投与群でプラセボ投与群と比較して有意な改善がみられており、ウイルス増殖抑制に伴う肝組織像の改善が確認されている。さらに、これらの試験を延長し5年間にわたって長期に使用した場合において、持続的な抗ウイルス効果(HBV DNAの減少:ウイルスマーカーの改善)とそれに伴う肝機能(ALTなど)の改善及び肝組織像(線維化の改善も含む)の改善が認められた。
国内臨床試験(ヘプセラ単独投与)における薬剤耐性の出現頻度は、52週時点で0%であった。
なお、GS-98-437及びGS-98-438試験(ヘプセラ・ゼフィックス併用)は5年間の長期投与試験として実施されたが、これらの試験で49〜240週に新たに発現した副作用のうち5%以上に認められたものは耐性出現であった。