小川町 籾ふり


5月9日。冬から春をすっとばして、突然の夏が訪れたような陽気に恵まれたこの日。
USPファームでは、今年第1回目の農業体験会を実施しました。
場所はおなじみ埼玉県比企郡小川町。
年齢、職業を越えた11名が集まり、農業体験をしました。
今年から先生役を務めるのは有井ゆきさん。

大学卒業後、コープ神戸に勤務。
ここで食と農業について考えを深め、農業を生業にすることを志し、
小川町の霜里農場にて研修を積みました。
しばらく他の場所で農業に携わっていましたが、
昨年より心機一転、小川町にて就農することを決意。
小さい体だけどよく通る声で、いつも元気いっぱい!
参加者の皆さんに今日の作業を指導してくれました。

今日のメイン作業は「籾ふり」。要は苗を作るための種まきです。

1メートル×50センチほどの大きさのポット育苗箱のポットの部分に、2/3ほど土を入れていきます。

ポット育苗箱を重ねて、上から踏みつけ、圧力をかけます。

ひとつの育苗箱に400個以上のポットがあります。
そこに2〜3粒ずつ、籾を蒔いていきます。

黙々とスピードを競うペア。おしゃべりしながら種を蒔くペア。それぞれに。
簡単な作業だけど、ここで失敗すると
秋に美味しいお米を収穫することもままなりません。
一粒一粒に、美味しいお米ができますように、と気持ちを込めて、蒔いていきます。
自然の力によって、この一粒の籾が、秋には何百倍にもなるというのは
実はとっても神秘的なことよね、と誰かがぽつり。

籾ふりが終わった人は、田んぼの畦作り作業に着手。
元々耕作放棄地だった田んぼを開墾したため、畦に泥がたまってしまっています。
それを掻き出したりする作業です。


この日は最高気温が28度。
汗がにじんできます。

手を動かし、体を動かし、 口を動かしていると、
時間のたつのはあっという間で、お昼ご飯の時間となりました。

ランチ会場は、田んぼからちょっと離れたところにある果樹園。
大きな木の下の木陰で、べりカフェ「つばさ・游」さんの特製マクロビオティック大皿料理を
みんなでいただきました。

本日のメニューはこちら。
・カラッケ(おからのコロッケです)
・キャベツとカブのナッツあえ
・彩り野菜とコンニャクのあえもの
・ライスロール
・大根と新玉ねぎ、油揚げ煮
・たけのこ煮

(ベリカフェ「つばさ・游」は日替わりシェフの店で、
 この日はgreen samさんのマクロビオティック料理でした)

うーん、お肉を使っていないのにこのボリューム感!
美味しいのでついつい食べ過ぎてしまいそうです。
毎度おなじみ「マイクロブルワリー」さんの地ビール付き!
乾いたのどにしみ入ります。

一人一言自己紹介をしてみれば、IT関係、就農希望の方等々…今回もなかなか個性的な顔ぶれ。
ただ一つ共通して言えたのは、みんな「食」ということに非常に興味があるということでした。
自分の体を作る物だから、きちんと出自が明らかなものを食べたい。
そういう思いを、参加者の方一人一人の言葉に強く感じます。

今日のイベントには、東京から農業体験をしにきた人だけではなく、
小川の方もたくさん駆けつけてくれました。

高校の先生から、オゾン発生器会社の社長さん(今回の昼食会場もご提供いただきました)
霜里農場の卒業生…「食」を通じて人の輪が広がっていくようです。

午後も引き続き、畦作り、田んぼの草取り、苗代(田植えの前に、稲の種をまいて苗を育てる田のこと)作りをしました。

できあがった苗代はこんな感じ。なかなかそれらしくできあがりました。

この苗代に、先ほど籾ふりをしたポットを置いて、苗が育つのを待ちます。
慣行農法では1反あたり4キロほどの籾を使い、まだ苗が小さいうちに田植えをしますが、
ここの有機農法では、1反あたり1キロ程度の籾しか使わず、また、ある程度苗が成長してから田植えをするのだそうです。

ゆったりとした環境で、愛情込めて、だけど無農薬無化学肥料で、厳しく育てる。
まるで子供を育てるようです。

苗の育成状況は、コーディネーターの高橋さんが、レポートを書いてくださるそうなので、お楽しみに!

作業が終わった後は、締めにビールをもう一杯。くーーー、おいしい!

今年初めの夏日を飾るにふさわしい農業体験と相成りました。

次回は6月18日(土)に、田植えを予定しています。