• 購入理由:来年度前期の学部演習では,「政策法務」「自治体法務」を考えてみようと思い,1978年から刊行された『条例研究叢書』の全9巻を古本のセットにて購入(以前から探し求めていた書籍(シリーズ)の一冊でしたので,良い買い物でした).9巻までで全セットかと思い発注したものの,最も早期に刊行された第2巻を見ると,「全10巻」との記載があり,少し残念な気分になり,第10巻では「人事・給与・組織条例」が想定されていたことを知ると,下名の個人的関心からは,同巻にあり,更に残念な気分になる.ただ,最も後期に刊行された第6巻では「全9巻」と改められており,一つの残念となりました.

  • 購入理由:ここ数ヶ月,毎回録画して拝見している番組は,『NHK 連続人形活劇「新・三銃士」』.その登場人物のうち,お団子みたいな人形造形されたリシリュー枢機卿による「造営事業」から説かれるパリの都市計画.楽しみ.

内奏―天皇と政治の近現代 (中公新書)

内奏―天皇と政治の近現代 (中公新書)

  • 購入理由:「奏」のうち「内」について.これは,興味深い一冊.

相模原市の加山俊夫市長は24日、神奈川新聞社の取材に対し、4月に政令指定都市へ移行することを機に、市の知名度向上に向けた先進的な取り組みを進めるため、「戦略大綱」の策定を検討する意向を示した。都市間競争時代の中、戦後生まれの政令市・相模原の都市としてのブランド化を図ることや、シティーセールスの推進などの施策について戦略をまとめ、具体化を目指す。また、庁内に戦略室などの専門部署を設けることも視野に入れているという。
 戦略大綱については、市議会本会議で同日、新政クラブの阿部善博氏が新たな政令市として発展するため策定を要望していた。阿部氏は本会議で「相模原市民は、市に(交通のインフラ整備や開発など)ハード面だけでなく、お金をかけないソフト面での戦略的な取り組みも求めている。都市としての知名度を上げ、『相模原ブランド』を構築したい」などと強調。その上で、「良い商品も良さが伝わらなければ売れない」として、広報戦略の重要性を指摘。ご当地検定の一つとしての「相模原検定」や、市の情報をデジタル化して整理・統合・保存し、インターネットなどを介して広く共有・情報提供する「デジタルアーカイブ」などを挙げ、情報化戦略への取り組みも進めるよう求めた。
 加山市長は「戦後生まれの相模原市は都市ブランド形成の途上。活力ある産業と集積した都市機能、水源地域の豊かな自然環境を併せ持つ特色を生かし、可能性豊かな都市として全国に魅力を発信したい」と説明。広報戦略や情報化戦略の推進に意欲を示した。

本記事では,相模原市においてシティーセールスに関する大綱策定の方針について紹介.
「「シティセールス」「シティプロモーション」に取り組んでいる行政資料」への分析結果からは,両概念においては,前者が,「基本的に対外的な活動」として「既存の住民を対象としていない事例」が多くみられ,後者に関しては,「対外的な活動に加え,体内の主体も対象としていることが多い」との整理が可能ではあるものの,両概念は必ずしも「明確に分けることは難しく,その境界線は曖昧」*1とも解されている.ただ,セールス(販売)とプロモーション(促進)のいずれにおいても,「ブランドという「財産(エクイティ)」」を,「どうケアするのか」*2の側面からは,本記事でも言及されている「構築」の側面のみならず,「維持すること」そして「崩れないよう手を打つこと」*3もまた肝要となることが想定されそう.
本記事では,同市市長による「全国に力を発信」との言及もあることから,「基本的な対外的な活動」としての「セールス」の側面からとも解することはできそう.下名個人の関心からは,本記事にいう「専門部署」の設置を含めた機構面の同種の職に関しては,2010年3月25日付の茨城新聞にて報道されている,茨城県において「次長級」で「任期3年の期限付き」で配置される「広報監」*4職のように,2009年9月11日付の本備忘録にて,制度的な観点からの類型化を行った庁外からの登用形態を観察されることもあり,今後の同市の取組内容は,要経過観察.

*1:牧瀬稔「「都市を売り込む」ことで住民の獲得を目指す」牧瀬稔,中西規之『人口減少時代における地域政策のヒント』(東京法令出版,2009年)109頁

人口減少時代における地域政策のヒント

人口減少時代における地域政策のヒント

*2:石井淳蔵マーケティングを学ぶ』(筑摩書房,2010年)206頁

マーケティングを学ぶ (ちくま新書)

マーケティングを学ぶ (ちくま新書)

*3:前掲注2・石井淳蔵2010年:206頁

*4:茨城新聞(2010年3月25日付)「編集長、広告マン、ジャーナリスト…県「広報監」名乗り続々