東京都足立区は24日、子供の貧困の実態を把握するため、区立小学校のすべての1年生を対象に行った調査の回答率が83%に上ったと発表した。
 高度な個人情報を含むため、保護者の反発も予想されたが、目標の60%を大きく上回った。
 区は今年7〜11月、区立小69校の全1年生5355人の保護者に調査用紙を配布。保護者の最終学歴や年収、経済的理由で家庭にない電化製品の種類などを尋ね、4470人から回答を得た。区は、研究機関が来春にまとめる調査結果を基に具体的な貧困対策を決める。また、対策の効果を調べるため、今回の小学1年生が同2、4、6年生、中学2年生になった時も同様の調査を実施する予定。

本記事では,足立区における「子どもの貧困」に関する調査の実施を紹介.
2015年6月18日付の本備忘録にて同調査の実施方針を記録した同区.本記事では,同調査の実施と回答状況を紹介.「区立小学校に在籍する全小学1年生」「5,421名」の「保護者」を対象に実施した同調査の回答率は,2015年「11月20日現在」の「暫定値」ではあるものの,「84.4%」となり,同区が当初に想定していた「目標の6割を超え」*1る回答率となる.具体的な調査結果は,2016年「4月」に「分析結果の集約」が「予定」されている.
2015年11月21日付の毎日新聞の報道では,2016年度には政府においても同区の同調査を「参考」に*2.同記事によると政府が実施する調査では「都道府県を通じて希望する市区町村を募」り,政令指定都市は「直接国が窓口」となり,「調査項目は原則,市区町村に委ねる」*3方針である,という.両調査を通じて「データの準備」*4が進められそうな「子どもの貧困」の現状.両調査の結果は,公表後,要確認.

*1:足立区HP(福祉・健康健康健康づくり足立区 子どもの健康・生活実態調査を実施しました)「都市部で小1全員を対象とした調査は全国初 「子どもの健康・生活実態調査」本格実施しました!」(定例記者会見資料 平成27年11月24日,衛生部こころとからだの健康づくり課)8,9頁

*2:毎日新聞(2015年11月21日付)「子供の貧困:実態調査へ 食事回数、虫歯の数… 全国規模、政府が初

*3:前掲注2.毎日新聞(2015年11月21日付)

*4:阿部彩『子どもの貧困Ⅱ 解決策を考える』(岩波書店,2014年)229頁

子どもの貧困II――解決策を考える (岩波新書)

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