ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

カーキ色の街

 中日新聞の連載<戦後の地層 覆う空気>その2 詳細はこちら
 もちろん国民服とか、国防色というのは知っていたけれど、それが法制化されていたとは思いもよりませなんだ。それが「国民服令(昭和15年勅令第725号)」。そして「国民服制式特例(昭和18年勅令第499号)」。
 1940年だというから日中戦争は泥沼と化し、太平洋戦争直前のことと思って良いだろうか。多分これで世の中にテイラーがどっと増えたのか?戦後各町内に一軒くらいはあったものだった。今やほとんど絶滅だ。
 うちの親父のスーツも、出入りの坪井テーラーが縫ってくれていたようで、そのお店にも行ったことがあるし、仮縫いだといって店の旦那がうちまで来て、まち針を口にくわえて、差していたのを見ていた記憶がある。
 だからといってうちのとっつぁんがお洒落だったわけでは全然なくて、むしろその反対だったといっても良いだろう。それでも、あの当時の人たちは戦後のバタバタな時でも、麻の上着を着て、パナマの帽子を被って会社に出かけていたのだから、驚く。いまやソフトを被っていくと「お洒落ですねぇ」なんぞといわれるが、そんなことはない、こっちはただ頭が他の人より寒くて、暑くて、雨がすぐにわかっちまうってだけのことだ。

ばか

「私たちが必要としているのは楽観主義だ。きょうよりあす、今年より来年、間違いなく良くなっていく日本をつくっていきたい」。安倍晋三首相は6日、経済3団体共催の新年祝賀パーティーで、年始の2回のゴルフでスコアが好転したことを引き合いに、楽観主義の意義を説いてみせた。(時事通信 1月6日(火)17時1分配信)

 もういい加減、相手にするのはよしたいけれど、そうするとこのバカのやりたい放題になってしまうから、根性と粘りをもって指摘していきたいと思う。
 将来の日本を彼が真剣に考えているとはとても思えない。品位がない。田中角栄なんかの品位のなさとは全く次元の異なる品のなさである。あたかもどこかのボンボンが世間を知らずにふざけているような、そんな品のなさだ。例えでなくて、本人そのものになってしまうけれど、知性を感じさせない品のなさ、といったら良いのだろうか。だから、つまりは「ばか」なのだ。
 こんな大馬鹿野郎を誰が総理大臣なんかにしたんだ。まさに、新聞記者を追い出した佐藤栄作とか、船が沈んでもちゃらんぽらんだった森喜朗なんかと良い勝負だ。尤もこいつも途中で放り出した前科がある。それでもいうことを黙って聞いている日本国民はよくよく目出度い。

インフルエンザ

 つれあいのインフルエンザは熱が39℃まであがって、解熱剤を飲んだといっているけれど、未だに回復の兆し見えず。私が寝ている間に、自分でお粥を作った様子。私が作るお粥よりさすがに数段旨そう。七草がゆがインフルエンザかゆになってしまった今年は、用心が必要か。
 朝飯のパンが払底しているので買い物に行くと、まだ温かいバタールが良い匂いで思わず買ってしまった。随分前に店じまいした市場が今度大手スーパーになるらしいんだけれど、いつまで経ってもそれらしい雰囲気がしなかったのが、どうにか動きそうだ。
 すぐ傍の個人商店が連なっていた一角が軒並みシャッターが降りていて、おかしいなと思ったら、真ん中の一軒が既に取り壊されていて、どうやらその一角は角の八百屋さんを除いてすっかり取り壊されるようだ。またマンションなんだろうなぁ。
 パン屋の傍のスーパーで買い物をして帰り道、消防車のサイレンが聞こえるなと思ったら、なんと10階建てのマンション前に消防車が集まっている上に、人だかりだ。外の非常階段を消防士が何人も上がっていく。はしご車の先端に消防士が乗っかって、スルスルと延びていくから、どこまで上がっていくのかと思ったら一番上の10階だった。はて、本当に火事なんだろうかと思って目をこらすと、かすかに煙が出ている。お、これは本当に火事だ。
 前の通りはコミュニティバスの経路になっていて、通りかかったバスはどうしたものかと止めて連絡を取っている。のんびりとやってきたお婆さんが「あれあれ、随分上だねぇ。本当に火事なのかしら」と誰にいうともなくいっている。この辺の人だけじゃないかもしれないけれど、他岸の火事は見物って事ね。
 家に帰ってきてみると、どうやら、私もそろそろ発症しそうな雰囲気だ。

セント・ジョセフ・インターナショナル・カレッジ

 2000年に廃校になった横浜の山手にあったインターナショナルスクールである。この学校の出身者にこんな名前が挙がっていた。
 江川宇礼雄(俳優・映画監督)、E・H・エリック(タレント)、岡田眞澄(俳優・タレント)、ウイリー沖山(歌手)、フィリップ・ダキノ、イサム・ノグチ(彫刻家)、J・B・ハリス、三船美佳(女優・タレント)
 J. B. ハリスはわれわれの世代であれば必ず知っているラジオで英語の講座をやっていた、あのハリス先生であるが、彼はあの日本語でも、日本人として戦争中に徴兵された日本兵だったことはあまり知られていないらしい。
 この中で最も知られていないだろうと思われるのはフィリップ・ダキノだろう。彼は元はといえばポルトガル人で、戦争中に同盟通信に職を得ていたが、そこで知り合ったのが、日系アメリカ人であるIva・郁子・戸栗で、彼らは戦争中に結婚している。Ivaは後に「ゼロアワー」で放送に従事したアナウンサーのひとりであるが、戦後「東京ローズ」として米国の国家反逆罪で裁かれた事で知られている。

竹中のみんな非正規社員に

 何でも正月の「朝まで生テレビ」で、あの人材派遣企業の竹中平蔵が「同一労働、同一賃金をいうなら、全労働者を非正規にしろ」といったらしくて、ネット上では飛び交っている。世の中には大変に労苦をいとわずに文字起してくださる方がいる。詳細→こちら

竹中:1979年の東京高裁の判例で解雇の4要件が示された。要するに、同一労働・同一賃金と言うんだったら、「正社員をなくしましょう」って、やっぱり、あなた、言わなきゃいけない(編集部注:このとき竹中氏は、辻元氏のほうを見ていた)。全員を正社員にしようとしたから、大変なことになったんですよ。
田原:竹中さんの言った4要件はこれですよ(注:フリップを取り出す)。4要件というのは、人員削減の必要性。解雇回避の努力。人選の合理性。解雇手続の妥当性。4つないといけない。
竹中:実はそれが判例なので、非常に不明確だというところに問題があるんです。だから、大企業のように、訴訟リスク・・・これやると訴訟をされると思うところは、なかなか解雇できない。
田原:そして本当に(訴訟に)負ける。
竹中:そうです。一方で、「うちなんかは訴訟されるわけがない」と思っている中小企業は、平気で正社員といえども解雇しているんですよ。だからそのルールをきちんと・・・。
森永:竹中さんの言っている事実認識がすごく違うのは、実はOECDが雇用者保護の厳格性を綿密に調査して比較しているんですよ。さっき竹中さんがオランダモデルにしろと言ったんですけど、正社員の雇用保護の厳格性は、日本よりもオランダのほうが圧倒的に高いんですよ。つまり、ものすごく厳しいんですよ。解雇には、地方労働委員会の許可が必要なのですよ。ほとんど認められない・・。
竹中:日本の場合、中小企業にそれが適用されていないからなんですよ。だから、厳しいルールも必要なんです。ただ、今はルールが明確ではないということが重要なんです。それを明確化しようと言ったら、「解雇自由化」という議論に歪められるんですよ。

 重要な欺瞞もあって、森永が指摘しているように、竹中が持ち出すオランダ・モデルは実は正規労働者だろうと、非正規労働者だろうと、同一労働であれば、賃金だけ同一にしろ、なのではなくて、社会保障もすべて同一にしろということなのである。良いところだけ取り上げて俎上に見せるという手段は誰もが執りそうだけれど、ここは非常に重要な部分だ。

2015年01月06日のツイート