川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

碁盤太平記

 「ちかえもん」が面白い。
 今週の分はまだ見ていないけど。近松門左衛門が絶賛スランプ中。で、「曽根崎心中」を書くまでの物語。
 「ちりとてちん」の藤本さんの脚本で、近松を松尾すずきさん、ちかまつに関わってくるのが青木崇嵩さん。なんともちぐはぐな相棒で、もう楽しい楽しい。基本、近松がず〜っとぼやいてる。おふざけ満載。でも、押さえるところはきっちり押さえて来る。

 先週は、赤穂義士切腹の知らせに、これをもとに浄瑠璃の台本を書こうとするのだが、筆が進まない近松。吉良邸を前にして、なんだかんだと赤穂義士たちが打ち入らない。
 ちなみにこのシーン、昔の映画風に表現されている。しかも、演じているのは狂言茂山家のみなさん。なんて楽しそう。

「義士達が行こうとせんのや」
 と言う近松の言葉に、竹本義太夫
「未だかつてそんな言い訳聞いたことない」
 
 うん、判る。
 詩と言う短いものであっても、その感覚はある。どんなに自分が進めようとしても、寄り道ばっかり。そういう時、自分の進めようとしている方向が、違っているのでは、と思う。自分の中の、もっと深い部分が、違うと言っているのだと思う。
 この感覚、演じる時にもあるな。演じる役が自分の中でスムーズに遊んでくれない時間の苦しいこと。探って探って、遊びだした時の感覚は、筆が走り出すのと同じだなと。
 ん〜、これを、言葉で表そうとすると、「おりてくる」と言う言い方になるのかな。ただ、それは決して勝手に降りて来るのではない。何もないところから出て来るのではない。

 さて、四苦八苦して近松が書いたのは史実としては「碁盤太平記」。今日のEテレ「にっぽんの芸能」で放送していたが、「ちかえもん」に合わせたのか?と思ってしまいましたよ。