巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

STAP細胞という幽霊

いまから10年前、小保方晴子氏のSTAP(スタップ)細胞のニュースが全世界を駆け巡った。

 

もし本当にSTAP細胞があれば、臓器の作成、輸血用血液を作ることが可能になる。当然老人が若返るという治療への応用もできたはずだ。

 

 

当然、全世界の科学者・医学者はいろめきだち、興奮して小保方氏の論文を元に追試験を行った。しかしだれも追試験を成功されることはできなかった。

 

小保方氏自身も追試をしたが失敗した。

 

 

記者会見で記者から「本当にあるのか」と問われ、STAP細胞はありまあす!」と涙ぐみながら言ったのは印象に残ったが、その後もSTAP細胞は発見することも作り出すこともできずに現代にいたっている。

 

 

たまに、STAP細胞の利権は米国に盗られてしまったのだ」という人がいたりもするが、そもそもSTAP細胞はいまだ確認されていないので、盗り様がない。

 

 

 

いまはまだあるかないかわからないというのが現状だ。

 

 

 

つまりは幽霊や魂と同じである。

 

 

幽霊が存在することを証明できたという科学者がいれば、それはSTAP細胞と同じように全世界をひっくり返すほどの大ニュースだ。

 

 

それは死後の世界の証明にもなるからだ。場合によっては世界経済を揺るがすような事態になるかも知れない。

 

「兵隊をいくら殺しても大丈夫。あの世はあるし、幽霊になって家族に会える」なんて言い出す政治家が出てくるかも知れない。

 

 

しかし現状では、幽霊もあの世の存在も証明されておらず、「幽霊もいますしあの世もありまあす」と叫んだところで、「それはあなたの感想か信仰でしょう」で終わってしまう。

 

 

残念ながら10年前の小保方氏はその状態であった。

 

 

ではなぜそんなことになってしまったのか?

 

 

小保方氏の師匠である理研笹井芳樹氏である。もっともノーベル賞に近い男とも言われていた。

 

 

ところが先にノーベル賞をさらったのは、笹井氏のライバルでips細胞の山中教授であった。

 

 

焦った笹井氏は、いま思うとあまりにも稚拙な小保方氏の論文を認め、小保方氏にピンクのかっぽう着を着せてマスコミにアピール。たちまち小保方氏はスターになった。

 

いま稚拙な論文と書いた。実は日本は「科学論文捏造世界トップ」の国なのだ。ただ、小保方氏の論文は捏造なのだろうか? それぼく程度の科学知識ではわからないが、稚拙であることは間違いないらしい。

 

 

それからわずか2週間後くらいだったろうか、小保方氏のSTAP細胞に様々な疑惑があり、誰も追試に成功しないことがわかってきた。

 

 

繰り返すがSTAP細胞があるかないかはいまだわからない。いまのところ「ない」とそれているが「あるかもしれない」明日にも新たに発見されるかもしれない。

 

 

それと最後にもう一つ。

 

 

あくまでぼく個人の中だけの話なのだが、いまでも「小保方さんのSTAP細胞は本当はあるんだ」という人で、なぜか女性はいない。

 

 

みんな中高年のおじさんなのだ。

 

 

なぜなのだろう?w

昭和時代の競争勝利主義では幸せになれない

昭和という時代が、30年あった平成という時代を挟んで、ようやく終わりつつあるようだ。

 

とはいえ昭和時代は、大きく【戦前】【戦中】【戦後】に分けられる。

 

令和時代である現代の感覚では、昭和とは戦後の高度成長期というイメージが強い人が多いかと想像するが、戦前や戦中の昭和も忘れてはならない。

 

 

 

そして令和の感覚では、ちょっと信じがたいかもしれないが、戦前・戦中の日本は、歴史上日本人がもっともグローバルだった時代と言えなくもない。

 

 

 

ただしそれは血を血で洗う戦争の時代だったのだが・・・

 

 

 

最初は旧日本帝国による、朝鮮半島や中国大陸、東南アジアなどへの出兵であったかもしれない。

 

出兵であるからには、自ら望んでのグローバリズムとはなく、一人一人の兵士にとっては、強制的な出国であっただろう。

 

しかしすぐに民間人も海外に夢を見て、各地に飛び出して行き、日本人街などを作っていった。

 

この絵は昭和10年『小学六年生』の付録のすごろくであるそうな。

 

 

昭和10年 皇国日本海外雄飛双六 井上たけし画「小学六年生」附録 小学館 

 

ここに『海外日本人分布図』とありあらに「諸子よ大いに海外に雄飛せよ‼」と書かれている。

 

 

しかしその海外雄飛の夢は、数百万人の犠牲者を出して敗れてしまう。

 

 

 

次に日本人は、国家間の戦争に敗れたものの、国家の代わりに会社に忠誠を尽くし、命がけで金儲けに邁進した。

 

 

 

結果、日本のGNPは、1966年にフランス、1967年にイギリスを抜き、1968年についにアメリカに次ぐ世界2位の経済大国になった。

 

 

 

しかしだ。

 

 

 

我々はそろそろ気が付いてもいいはずだ。領土を求めて大陸や東南アジアに進出しても、世界第2位の経済大国になっても、大して金持ちにも幸せにもなれなかったことを。

 

 

 

少なくとも、戦争で勝つことや経済大国になること=幸せではないのだ。どうやらそれをまだ昭和時代に洗脳を受けた人たちは、理解できないらしい。

 

 

 

いまでも60代、70代の昭和頭脳の人たちは、「競争に勝たないと幸せになれない」と思い込んでいるらしい。

 

 

金メダルを取れるのはたった一人だとわかっているにもかかわらず・・・

 

 

 

 

 

毒舌社会が終わりつつある


かつて昭和の時代、サラリーマンたちは会社帰りにガード下などの安い居酒屋に寄って上司や取引先の悪口を言って憂さを晴らしていました。

 

 

しかしバブルの崩壊とほぼ同時に昭和が終わり、30年にわたる平成時代を通し、さらにコロナ禍もあり、サラリーマンが安居酒屋で上司や取引先の文句や愚痴をいうという文化は随分減ってきました。

 

 

なぜ愚痴を言わない人が増えてきたのか? だって安居酒屋で愚痴を言っているおじさんって、カッコ悪いじゃないですかw

いまや「カッコ悪いことはやらない」というのが「時代の流れ」なんです。

 

 

バブル崩壊と同時に平成がはじまり、2001年(平成13)に21世紀がはじまりました。この時代に流行りだしたのが、毒舌タレントです。

 

 

女性タレントに遠慮なく「ブス」と言い放って、視聴者の笑いをとっていました。マツコ・デラックス有吉弘行坂上忍といった人たちは毒舌タレントとして人気者でした。この人たちは「みんな思っているであろうホンネ(らしきものを)を、ズバリと指摘」して人気を得てきた時代がありました。

 

 

しかしいまや「ホンネ系」や社会の怒りを暴くようなタレントは流行らなくなってきています。事実いまやマツコ・デラックス有吉弘行は、もはや毒を吐かなくなってきています。
彼らは毒舌をやめ、むしろ人々を励ますスタンスにチェンジしているのです。

 

毒舌タレントの毒は年々薄くなっている

それは日本人の感性が「毒を吐く人はカッコ悪いし、みっともない」と変化してきたからです。

 

 

かといって愚痴・悪口を言う人はいなくなりません。愚痴・悪口をいうと、脳から快楽物質が出ていい気持ちになれるというのもわかっています。

 

 

すると、愚痴・悪口をいう層とあまり言わない層に分かれてきます。それはSNSなどでも、自分の実名や裏垢など、自分の正体がバレない世界での話です。

 

 

そもそも愚痴・悪口は、それを言う人にとっては「正義」であり「人が言わないホンネ」であると信じています。

 

 

20年ほど前、ネット右翼と呼ばれる人たちが、かなり歪んだ正義を主張して注目を集めましたが、以前の勢いはありません。

 

 

一方、愚痴・悪口を言わない人たちは、愚痴や悪口を正義として叫ぶ人たちを「それはアナタに都合のいい正義でしょう」「そのホンネは、あなたのワガママではありませんか」と、かなり醒めた目で見ています。

 

 

そして少しずつ分断がすすんでいるのです。

 

 

どうやら毒舌やホンネ(と本人が思っている)ことを大声で叫ぶ人の時代は終わりつつあります。

(ちなみに毒舌と社会批判は全然違うので混同しないように)

 

 

それがわからない「これが正義だ」「これがホンネだ」と叫んでいる人は、ほんの少数の人からの賛同と、多くの(しかし何も言わない人からの)冷ややかな視線を浴びることになりそうです。

 

松本人志バッシングと有名人がナンパ・合コンどころかSEXもできなくなる?

2023年末に松本人志

スキャンダル記事が出た。見出しは松本人志と恐怖の一夜『俺の子ども産めや!』」というものであった。


内容は、8年前の2015年、女性2人が、仕事関係の飲み会で知り合った「スピードワ


ゴン」の小沢一敬さんから呼び出され高級ホテルに行ってみると、他にも女性が呼び出されており、松本さんらから性的行為を迫られたという内容であり。

 

これが本当のことか、誇張されたことか、あるいはデッチあげかは、いまのところまったくわかっていない。

松本人志氏のスキャンダルの真偽も、今後のこともまだ不明だ。

 

しかしだ。

 

 

多くの芸人、芸能人、その他の有名人も、いまこう思っているはずだ。

 

 

 

「ちょっといまは、ナンパとか合コンとかはでけへんな」と・・・

 

 

 

ところがこの騒動は8年も前のことを取り上げている。

 

 

繰り返すが8年も前の話を掘り返されているのだ。ということは「いまはナンパとか合コンができない」のではなく、ずっとできないということなのだ。

 

 

もっと言ってしまえば、無名の若者が誰かとお付き合いし、やがて別れたとする。

 

 

そして10年後・・・ 大ヒットを飛ばし、超有名人になったとする。すると10年前に付き合っていた相手が

 

 

 

「10年前●●さんと付き合っていたんです。そのときヒドイことをされて・・・」

 

 

 

などと言われかねないのだ。それがホントウであろうとウソであろうと・・・

 

 

そういったスキャンダルは以前からあったのだが、いまは誰もがSNS等を通して気軽に全世界に発信できるご時世だ。

 

 

そう、いまこれを読んでいるアナタも、10年前に付き合っていた誰かを、告発することができるし、されるかもしれない。

 

 

告発されるのは、男とは限らない女だって同様だ。

 

 

いまやマスコミの記者たちは、町を歩いてネタを探すのではなく、SNSやネットからスキャンダルを探す時代になっている。

 

 

あなたこれまでやった(やられた)ナンパ・合コン・セックスを、そのお相手が「あのとき●●さんにひどいことをされて・・・」と、ウソでもホントウでも告発されるかもしれない。そんな時代がきているのだ。




香川照之は、銀座のママの髪の毛を鷲掴みにしたことが、スキャンダルになった。いくら香川照之の酒癖が悪くても。これまでだとこれはないことだ。せいぜい銀座の街を出禁になる程度で終わったはずだ。


しかし香川照之はそのシーンを写真に撮られ、あるいは気軽に撮らせていたのかもしれない。

 

それがあっさり流出した。そんな時代なのだ。

 

 

これからの芸能人は大変だ。だれもが気軽に写真や動画が撮れる時代、いまはよくても5年後、10年後に告発されてしまうかもしれない。

 

 

ジャニー喜多川氏から性被害を受けたカウアン岡本氏は、その証拠動画を隠し撮りし、いまも「もしものときのために」持っているという。

 

 

これから何かを目指して有名になりたいと思っている人は、ナンパや合コン、SEXなどうっかりできない。

 

そんな時代が来たのかもしれない。

 

 

 

松本人志氏に見る昭和の終わりと、いま本当に怖い時代がきている

 松本人志氏の性加害問題が話題になっています。これを書いている2024年1月12日現在、事実は不明。ただの週刊文春の記事と、吉本興行や松本氏本人のわずかな発表だけ。

 

 よってどっちがいいとか悪いとか言う気はありません。ただ、まだ何もわかっていないのに、松本氏がテレビ番組の司会などにお金を出してきた巨大企業が、いっせいにスポンサーを降りたり、提供社名の表示は取りやめにしたりしだしたのです。

 

 テレビ界において、もっともエラいのは大手芸能事務所でも、プロデューサーでも、広告代理店でも、人気タレントでもなく、スポンサー。

 

 スポンサーが資金を提供してこそ、テレビは番組が作れる・・・ はずでした。

 

 

 しかし20世紀の終わりごろから、一部の大手芸能事務所が異常な権限を持つようになっちゃった。そう、旧ジャニーズです。旧ジャニーズの力がどれほどであったか?

 

週刊文春』が1999年にジャニー喜多川の性加害告発キャンペーンを行い、裁判になりました。しかしテレビ局も大新聞も、ほとんど報道しなかったのです。

 

 当然、多くの人は裁判のことは知らず、旧ジャニーズのタレントたちはテレビなどマスコミで引っ張りだこのままでした。

 

 

 

 

 マスコミは旧ジャニーズの力に屈したと言われても仕方がないことでした。

 

 

 

 

 結果、旧ジャニーズ側は裁判に負けるのですが、ほとんど報道されないため、新たな被害が出続けることになります。

 

 しかし2019年ジャニー喜多川が、2021年にメリー喜多川がこの世を去ると、その影響力は急速に衰え、2023年、英国BBCがドキュメンタリー番組を作ってようやくジャニー喜多川の性加害問題が問題にされたのです。

 

ジャニー喜多川は死後「性嗜好異常(パラフィリア)」という精神病であったと指摘された。



 

 さて、松本人志氏が文春砲に撃たれ、何かと話題を提供していますが、いまの段階で松本氏が性犯罪を行ったということは、まったく不明。

 

 しかし世間ではそういう風な噂が流れています。ちょっと前の時代なら、吉本興行が、旧ジャニーズのごとくマスコミの口を封じることができましたが、いまではもう無理、そんな時代ではありません。

 

 

 いまや無数の人々が「気軽にスマホで情報を得て、自分の意見を言う」という時代が来たのです。

 

 

 それまで・・・ スマホが普及していない2000年代やそれ以前は、ネットがつながるようになっても、パソコンの前に座って、わざわざ自分の意見を言う人は、いまに比べると少ないものでした。ネット以前の情報が紙媒体中心の時代は、情報発信者は選ばれた人だけでした。

 

 それがいまや、国民のほとんどがSNSで自分の意見を言えるようになりました。自分のことはさておいて、気楽に他人をバッシングできる時代がきたのです。

 

 無数にいるSNS民に対しては、吉本興行の力をもってしても、どうしようもありません。

 

 そんなときに同時に起こっているのが、SNS民だけではなく、日本国民全体の「清潔なイメージを優先する社会」が来ています。

 

 これを評論家の岡田斗司夫氏は「ホワイト革命社会」と呼びました。これはYouTubeにありますので、興味のある方はどうぞ。

 

www.youtube.com

 

 この「清潔なイメージを優先する社会」において、文春砲以降の松本氏の

 

 

「事実無根なので闘いまーす」

「それも含めワイドナショー出まーす」

 

 

という発言をして、ワイドナショーに出ず(出られず)、記者会見もせず、というのは、人々に「やっぱりな・・・」と邪推させ、「清潔」どころか、「ブラックなイメージ」を与えたように思えます。

 

 そしていまや、このイメージだけで事実は関係なくスポンサーが降りていく時代。

 

 

 

 

 

 もはや昭和の、「遊びは芸の肥やし」は芸能界で通用しません。60歳の松本氏はいまだに昭和脳で、理解できていないのかもしれません。

 

 

 

 

 

 この時代の変化が正しいかどうかはわかりません。ただ、芸人・芸能人を目指す人の中には「実はモテて女とヤリまくりたい」と思っていて芸能人になっても、いざ売れてくると、誰がどんな発言をするかわかりません。

 

 

 

 

 松本氏の場合、8年前の事件ですが、どんな人でも5年前、10年前の話を掘り返され大問題に発展するかもしれないのです。

 

 

 

 

 いえ、これは有名人だけの話ではありません。多くない知り合いだけのグループラインとかでも、「実は10年前●●くんにひどいことをされて・・・」と虚実関係なく言われ、外部に漏れて・・・ 家庭崩壊、会社で左遷などが起こりうる社会なのです。

 

 

よっていま実に怖い時代がきていると言えるでしょう。

 

 

フェイクニュース信者や陰謀論者の心理とは?

2024年1月1日、石川県能登半島マグニチュード(M)7.6の地震が発生し、大きな被害が発生した。

 

と、ほぼ同時にソーシャルメディア(SNS)を通じて多くのフェイクニュースが広まっている。

 

2016年の熊本地震のときでは、「熊本の動物園からライオンが逃げた」というデマ情報をTwitterに投稿し、神奈川県に住む20歳の会社員の男が逮捕された。

 

地震が起きたときに必ず流れるデマに「人工地震」がある。さてさて、「人工地震」と「天然地震」の違いは何か?

 

 

 

 いうまでもなく人工地震の場合、天然と違い「犯人がいる」ということだ。

 もし地震に犯人がいるなら、

 怒りをぶつける相手がいるということでもある。

 誰かのせいにできるということでもある。

 自分は被害者で正義であるということでもある。

 もし自分の「論」を「陰謀論だ」と笑う人がいたとしても、そういう人に対して「政府などが隠している本当のことを知っている」ということでもある。

 

 

 

 

 誰も知らないことを声高に叫ぶ。これぞまさしく聖書に出てくる預言者ではないか、周囲の者に笑われながら箱舟を作り続けたノアであり、「悔い改めよ、終末の日が来るぞ」と訴え続けた新約聖書預言者そのものだ。

 

 

 

だが、少なくとも今日まで『終末の日』は来ていない。これは偽情報、つまり「フェイク」と言っていい。

 

 

 

「今回の地震は人工地震」などというデマ情報のはじまりは、1923年(大正12年)の関東大震災で、「西洋で地震を起こす機械がある」というデマを真に受ける人がたくさんいたという。

 

 

デマを信じる人は複数のデマを信じる傾向があるが、関東大震災のときは、「朝鮮人が井戸に毒を入れている」というデマを信じてしまい朝鮮人虐殺が起こったのは、ご存じの通り。

 

 

 今回の能登地震を「人工地震だ」と騒いでいる人は、他の陰謀論も同じように騒いでいないだろうか。

「人工地震」「反ワクチン」「ディープステート」「コロナは陰謀」と騒いでいる人は、ネトウヨやネトサヨなど、極端な思想にもハマりやすい。

 

 

 そして、矛盾する陰謀論も同時に信じてしまう。

 

 

 

 

 我々人類が誕生して、200万年、ホモサピエンスに進化して20万年、電灯などを使うようになってたった100年少し、ラジオ放送も100年程度だ。

 

 人類は長い長い間、夜は暗闇の中で、仲間たちと肩を寄せ合い陰謀論ならぬ神や迷信などを創作し、それにすがって生き延びてきた。

 

 我々が科学なるものを信じるようになったのは、わずか100年程度のことなのだ。

 

 よって我々は、科学よりも「迷信」「陰謀論」「都市伝説」を信じやすいし、心の腑に落ちるのだ。

 

 

 

人は自分が信じたいものを信じる。デマやフェイクニュースは、その信じたい“何か”のために作られ、拡散していく。

 

 

 

 さて、では「人工地震」「反ワクチン」「ディープステート」「コロナは陰謀」と騒いでいる世の中に対してどうすればいいのか?

 

 答えからいえば【どうしようもない】のだ。陰謀論を信じている人は、カルト教団の「エホバの証人」や「統一教会」を妄信している信者と同じなのだ。いくら一般的におかしなことでも、信者にとってそれが救いなのだ。

 

 

 

「死んだら天国に行ける」と信じている人に「天国はないんですよ」と言っても無駄なのだ。

 

だから天国があると信じている人と会話するには、うまく合わせるしかない。
ただフェイクニュース陰謀論は天国のあるなしと違って有害だということだ。

 

 

 

ひとつわかっていることは、陰謀論を信じやすい人は、不安を抱えている場合が多い。不安を抱えている人が、占い師を訪ね、何らかのアドバイスをもらうことで、少しでも不安を紛らわせようとする心理と同じであるらしい。

 

この世に占いを信じる人がいなくならないように、陰謀論を信じる人はいなくならないのだ。よって、そういった人とは、否定も肯定も反論もせず、一定の距離間で付き合っていくしかない。

いまもし東アジアで核が使われてしまったら?

 いま、日本の周辺国にはどれくらい核兵器があるのだろう?

 北朝鮮には約30発。中国には約410発の核兵器がある推測。ロシアには約5889発の核兵器があり、アメリカには約5244発の核兵器があるとされている。

 

 日本の隣国の場合、韓国と北朝鮮、台湾と中国などでは、いつ紛争が起こってもおかしくない地域もある。

 

 2023年、長崎大学が中心となった国際プロジェクトで、これらの国が「もし核兵器を使ったら」というシミュレーションを行った。

 

 このシミュレーションで「もし中国が台湾を侵攻し、核兵器を使用したら」というものがある。

 

 

 もちろんいきなり核兵器を撃つなんてことはしないが、侵攻後、米国が台湾に大規模な部隊を送り込み中国軍と激突。劣勢になった中国は「先制しようはしない」という核戦略を放棄し、核兵器を使ったとする。

 

 このとき標的となるのは、日本の佐世保基地、嘉手納基地、グアムの米軍基地に核攻撃。米国は中国のミサイル基地を核攻撃。

 

これで終わらず中国はさらに韓国の米軍基地を核攻撃する。つまり日本も韓国も巻き込まれるのだ。さらに中国は米国本土の基地も攻撃。

 

このシミュレーションでは米中で合計24発の核兵器が使われ、数カ月間で260万人が死亡するという。被ばくにより長期的に亡くなる人は9万6千人~83万人にのぼるとしている。

 

 もし東京でテロが核兵器を使ったテロが起こった場合は、1発で22万人が死亡すると推定されている。ちなみに広島で約14万人、長崎は約7万人の死亡者が出ているから、東京ではそれ以上ということになる。

 

 また恐ろしいことにいろいろなパターンで核兵器の使用をシミュレーションしていくと、その半数ほどが、計画的ではなく偶発的に起こってしまうという。例えばロシアは核兵器システムの中に最近AIを使い始めているが、AIの誤作動とか、事故などで使ってしまうという事があるというのだ。

 

 他にも地上に攻撃するのではなく、上空40~400キロで核を爆発させるという方法がある。この場合、放射線や爆風、熱線は地上に届かず直接の被害は起こらない。しかし放射線が空気中の分子とぶつかり大量の電子が発生、それらは強力な電磁波となり、広い範囲で地上に降り注ぐ。「これを電磁パルス攻撃」というそうだ。

 

もし北朝鮮が、東京の上空80キロで「電磁パルス攻撃」を仕掛けられた場合、何が起こり得るのか? テレビやパソコンが突然壊れ、大規模な停電が起こる可能性があり、その影響は半径1000キロ、北海道から九州に及ぶというのだ。

 

そうなると電車や飛行機が止まるなど、ほとんどのインフラがストップしてしまう。その間に日本は何をされても抵抗できないが「電磁波パルス攻撃」に対抗する方法は、まだこれからだという。

 

核兵器を持ちたい国や組織はたくさんあるのだろうが、何にせよ我が国が最初で最後の被爆地のままでいてほしいと願うばかりだ。