日本人は自然界の中に死を一元論化し、キリスト教徒は生の中に二元論を見出します。 相手に対して誠を示すことは完全な自己否定でもあります。新選組の局長であった近藤勇が好んだ「赤心を推して人の腹中に置く」(後漢書)言葉がありますが、現代訳すれば「相手の心の中に自分の真心を押し入れて、信頼関係を築く」意味です。すなわち自分を「無」と化し、相手の「誠」に飛び込んで「情」を起こさせ、信頼関係を作ることです。まさに「死中に活を見出す」彼我一元論的な思想が生まれます。 有名な古典文学「平家物語」は「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…」で始まりますが、この文章が描く情景に、日本人は、万物の流転輪廻に「ものの…