人は誰しも、他者の目を意識して生きている。幼い頃は親や教師の言葉に、学生時代には友人や成績に、社会に出れば上司や同僚、そして社会的な地位や収入に。気づけば、他人の評価の中で自分の価値を見出そうとしていることが少なくない。 他者からの評価がすべて無意味だと言いたいわけではない。褒められれば嬉しいし、認められれば自信になる。ときには、自分では気づかぬ長所を他人が見つけてくれることもある。人は社会の中で生きている以上、まったくの独善では立ちゆかない。だが、それでもなお、他人の評価を軸にしてしまうことには、決定的な危うさがある。 なぜなら、他人の評価は常に変わるからである。昨日まで称賛してくれていた人…