ポリフォニー論 対話原理を表す芸術理論 バフチンはポリフォニーという概念を、ドストエフスキーの長編作品をポリフォニー小説と特徴づけるかたちで明らかにしていったが、桑野は「バフチンのポリフォニー論は、その数年前から形成されつつあった独自の対話原理を文学に適用した場合に『見出された』芸術原理であった」( 桑野隆「「ともに」「さまざまな」声をだす―対話的能動性と距離―」」と考察している。 ポリフォニーの成立条件は、互いを対等な人格とみなすこと 前述のように、〈交通〉と〈対話〉という用語をイコールで用いるバフチンは、ポリフォニー(多声的な)交わりのあり方を対話として捉えていたと考えられるが、そのような…