1.まえがき 直角レバーのパラドックスというものがある。これはパノフスキー、江沢洋、石原藤夫、細野敏夫の各氏の書籍に載っているが、前者3人の説明は理解できなかった。これらを紹介する。2.パラドックスの内容 慣性系Sに静止した直角レバーが O点で固定されて回転できるようになっている。図のように、それぞれ O点からの距離Lの A点には、+x方向の力 Fが、B点には -y方向に力 -Fが加わって釣り合っている。これをS系に対して、+x方向に速度 vをもつ慣性系 S'系で見ると、レバーは速度 -vでx'方向に運動している。 このとき、x' 方向の長さは L'=L/γに短縮、y' 方向の力は F'=F/…