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2018-01-13

仕事と生活ののっぴきならなさを描いた『サンドラの週末』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする「シネマの女は最後に微笑む」第6回、更新されました。

今回取り上げたのはベルギーフランスイタリア合作映画『サンドラの週末』(2014)。マリオン・コティヤールアカデミー賞主演女優賞にノミネート、他数々の賞レースに登場した佳作です。


同僚の解雇かボーナスか、働く人々それぞれの事情 | Forbes JAPAN


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従業員を分断支配しようとする雇用者側、それぞれ自分の生活第一の従業員たち、どこにでもある職場や家庭の、どこにでもありそうな話の細部。いつクビになるかビクビクしながら暮らしている者としては、実に身につまされるドラマです。

応援したいんだけど少しイライラさせられる感じまで含めて、うつ病上がりの若干不安定な女性を、コティヤールがとてもうまく演じています。「これは私の物語だ」と感じる人も、結構いるのではないでしょうか。


この連載はかなりストーリーを紹介していますが、最後のオチだけは明かしていません。

「この結果はいったいどうなるのか?」という、登場人物たちと同じ問いに私たちは牽引されていきますが、それも最後は宙に浮きます。そこで起こされたヒロインの、「侠気」とも言うべき思いがけない意思表示に私は打たれました。なかなか重苦しい話ですが、後味は爽やかです。

2017-12-23

レズビアン・カップルの闘いを描いた『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』(連載コラム更新のお知らせ)

時事的話題に絡めて現代女性の姿を映画からピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」(ForbesJAPAN)、更新されました。実話が元になっている作品、『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』(2015、ピーター・ソレット監督)を取り上げています。


平等の権利を求めて立ち上がった、レズビアン・カップルの闘いの行方 | Forbes JAPAN


主人公の警察官を押さえ気味の落ち着いた演技で見せるのがジュリアン・ムーア、そのパートナーとなるのがエレン・ペイジ。ボーイッシュな役柄がぴったりで可愛いです。

二人の、girl meets girlな感じの出会いから関係が深まっていく過程の描写が、歳の差カップルということを除けば特別なことはなく、わりと普通なんだけど、その普通さがとてもいいです。


死期を悟った人が、唯一の家族であるパートナーに自分の遺産を残し、遺族年金を受け取ってもらいたいと願う。異性愛夫婦であれば何の問題もないそのことが、同性愛者のカップルではすんなりいきません。

州のパートナーシップ法を郡に適用してほしいという彼女たちの願いを軸に、ホモソーシャルな世界の同性愛者差別、そこに介入する同性愛者の団体、周囲の人々のさまざまな思惑が描かれていきます。

エレン・ペイジはこの撮影の前後でレズビアンであることをカムアウトしたようです。


2017-12-09

『マダム・イン・ニューヨーク』に見る主婦の学び(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

時事的話題に絡めて現代女性の姿を映画からピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」(ForbesJAPAN)第三回がアップされています。


「学べなかった女」を勇気付ける、自尊心回復のストーリー | ForbesJAPAN


「学び」をテーマに、最近のインド映画のヒット作『マダム・イン・ニューヨーク』を取り上げています。英語が喋れないインド人の主婦が、一人で初めて行ったニューヨークで試行錯誤するドラマ。結構話題になったので観た人も多いのではないでしょうか。



脚本が良いのと、主人公のシュリデヴィという女優さんの演技が素晴らしく、英会話教室の先生も生徒たちもキャラ立ちしていて楽しいです。もちろんミュージカルシーンも。基本、コメディなので悪い人は出てきません。

また、ニューヨークを主な舞台にしたことで、さまざまな人種、国籍の人が描かれているばかりではなく、同性愛者もごく自然に登場しているところがいいです。笑いに包みながらも、いろいろな細部に丁寧にスポットを当てているところに好感がもてます。


初めての海外、通じない言葉、滑稽な自分の振る舞い‥‥‥という点は私にも覚えがあり、苦笑しつつ共感をもって観ました。幾つになっても真摯に学ぶことで世界が開けていく。勇気づけられる作品です。

そして、主婦という立場に押し込められがちな女性の葛藤や愛情や洞察も見事に描かれています。最後は涙せずにはいられません。未見の方は是非!

2017-11-25

今改めて観る『告発の行方』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

時事的話題に絡めて現代女性の姿を映画からピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」(ForbesJAPAN)第二回がアップされています。


世界に広がる「MeToo」、映画から考える性暴力への「あるべき救済の姿」とは*1


今回取り上げたのは、『告発の行方』(1988、米)。原題は『The Accused』(被告人

ワインスタイン騒動を発端とするこの話題からすると、もっと新しい作品で、職場のセクハラに対して闘った女性の物語『スタンドアップ』(2005/シャーリーズ・セロン主演の実話を元にしたドラマ)が相応しかったかもしれませんが、セクハラ騒動よりレイプ告発の方を焦点化したかったので、この映画を取り上げました。記事の枕で伊藤詩織さんの告発に触れたのもそのため。



『告発の行方』は、公開当時はジョディ・フォスターの”挑発的なダンス”がやたらと話題になっていましたが、実質は告発者の苦悩とセカンドレイプも含めた周囲の反応、そして裁判の経過を、初めて真っ向正面から描いた佳作です。

30年近く昔の作品ですが古さは感じさせません。そのことが、性犯罪をめぐる問題の根の深さを表しているようです。


原稿を出した後で、伊藤詩織さんの件について真相究明のため超党派の議連が作られたというニュースがありました。「告発の行方」を注目したいと思います。

*1:「性暴力への」ではなく正しくは「性暴力被害者への」ですが、まあ通じるだろうということで短くなりました。

2017-11-04

「シネマの女は最後に微笑む」/Forbes JAPAN新連載のお知らせ

今月より、Forbes JAPANで映画コラムの連載が始まりました。題して「シネマの女は最後に微笑む」

就業や転職、少子・晩婚化、教育、医療・介護、性差別問題など、現代女性が体験するテーマを映画作品の中から抽出し、時事的話題に絡めて紹介していきます。旧作からのチョイスですが、「この映画観てみよう」と思って頂ければ幸いです。

大体一ヶ月に2回ほどの更新予定。お知らせはこことTwitterでしていきます。よろしくお願いします。


先程アップされた第一回は、明日来日するトランプ大統領の偏食ぶりを枕にした「偏食からグルメまで、大統領を支えるシェフのドラマ」。扱う作品は『大統領の料理人』(2012)です。

現役フランス人女優の中で私が二番目に好き(一番目はイザベル・ユペール)なカトリーヌ・フロ主演の、コメディ風味の効いた作品。80年代、ミッテラン大統領に仕えた女性シェフの実話が元になっています。

大統領の料理人 [DVD]

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先日、日本のジェンダー指数が世界で114位というニュースがありましたが、今年の世界男女格差年次報告書(Global Gender Gap Report)では、この10年数多くの分野で縮まってきた世界的な男女格差が今年、拡大に転じたと報じられました。

http://www.afpbb.com/articles/-/3149125

意外でも何でもなく、ああやっぱりねという残念な実感があります。そんなタイミングで始まることになったこのコラム、悩み奮闘してきたスクリーンのヒロインたちの姿から、改めて学び、力を貰いたいと自分自身も思っています。


ところでForbes JAPANでの私の肩書き、一応オフィシャルコラムニストということになっていますが、いろいろハードルがありまして、6回までの平均PVが規定に達しないとそこで連載打ち切りになります。Forbes JAPANの女性読者は3割ほど、もちろん男性にも読んで頂きたいですが、別のルートからも読者を獲得しないと、3ヶ月後に消える運命でございます。*1

そういうわけで、最近更新が滞りがちな当ブログ、かなり過疎となってきていますが、まだ読んで下さっている皆様、どうぞご支援よろしくお願い致します。

*1:2回連載を持ったことのあるWEBスナイパーもそうでしたが、Forbes JAPAN、私にとってはアウェイ感が半端ない。どう見ても浮いてる。