児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

[児童ポルノ・児童買春]LINE悪用で『初逮捕』という記事。

 いまどき、LINE利用事件の検挙が初めてというのは、「よくやった」というより、遅れているという感じがします。
 SEXTING事案は福岡県警も結構やっていて、実刑事案も出ています。
 脅迫罪・強要罪も検討されると思いますが、裸の写真を撮る・撮らせるというのはわいせつ行為(176条)ですから、まず、強制わいせつ罪が検討されるべきです。

LINE悪用 裸の画像 20代男 少女に送らせた疑い 福岡県警初逮捕
2013.04.04 西日本新聞
 無料で通話やメールができるスマートフォン(多機能携帯電話)のアプリ「LINE(ライン)」を悪用して、少女に裸の画像を送信させたとして、福岡県警早良署は4日、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、岐阜県の20代の男を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
 ラインを悪用した疑いでの福岡県警の逮捕者は初。ラインをめぐっては、3月にチャットで知り合った少女を買春した疑いで東京都内の塾講師の男が逮捕されるなど、少女が被害に遭う事件が相次いでいる。

 捜査関係者によると、岐阜県の男は昨年、福岡県内の高校に通う18歳未満の少女にラインのメール機能を使って接触。「モデルにならないか」と持ちかけるなどし、少女に裸の画像を送信させた疑いが持たれている。男はインターネット上で少女のラインのIDを見つけ、連絡を取ったという。

 男は「金を払う」と言って少女に裸などの画像を要求したが、送信後に「画像をばらまくぞ」など脅迫されたため、少女が署に被害を届け出た。男はほかにも福岡県や中部地方の複数の少女らにも同様の行為をした疑いがあるという。

桧垣伸次「暴力的なビデオゲームの規制と言論の自由」比較法学 第46巻1号

I 暴力的なビデオゲームの規制と言論の自由
Brown v. Entertainment Merchants Association,131 S. Ct. 2729 (2011)
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(3 ) 本判決的意義
アメリカ法的歴史において,一般的には暴力の描写を規制しようとする努力はほとんど見られなかった。しかしながら,子どもの保護という観点においては, 1940年代に漫画的規制が問題になって以来,音楽やテレビなど,様々な「メディア」に着目して,その規制iが議論されてきており,本件ではゲームがその俎上に上った。Alito裁判官は、ゲームの特殊性を指摘し他のメディアとの相違点を強制するが, Scalia裁判官は, 「修正1条が命ずるような言論及びプレスの自由の基本原則は,コミュニケーンョンのための新しく異なった媒体が登場しても変わらない」と述べ,そのような王張を拒絶する。暴力的なビデオゲームが保護された言論であるということは,多くの下級審で主持されていたが,本件は,その点を明確にした点で大きな意味を持つ。本判決は, 一連の下級審の判決と概ね同じものであり,暴力的なビデオゲームの規制をめぐる問題に一応の終止符を打ったといえる。本判決の枠組みに従うと,害悪の証明は相当高い程度要求され,その要求を満たすのは極めて困難であろう。また,規制手段についても,非常に高いハードルが要求される。今後は,暴力的なビデオゲームの規制は相当困難になったといえる。