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折り紙に関するあれこれをメモ的に。
written by 小松英夫(id:origami) from 折り紙計画

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Flickr: origamiplans

2017-3-27

折り紙創作法に関する情報が掲載されている書籍等

(主にコンプレックス系作品を)創作したい人用リンク集」ではウェブ上で参照できる資料をまとめているが、この記事ではリアル書籍・雑誌で読める資料をまとめてみた。もっと昔の本で創作法を扱っているものももちろんあるが、あまり古いのを挙げてもしょうがないかもしれないので、80年代以降のものとした。(ぼく自身が通ってきた道として多くを学ばせてもらってきた本たちでもある。)

『季刊をる』やJOASの会員向け資料などは入手困難なものもあるが、書籍については図書館を当たれば読めるはず。


『ビバ!おりがみ笠原邦彦前川淳サンリオ 1983)

 22.5度系一値分子を用いる「前川設計」のオリジナル。背景理論のテキストもあり、作品自体展開図のカタログと言える。

『創作折り紙をつくる』津田良夫(大月書店 1985)

 易しい実例を挙げて試行錯誤の裏にある発想を解説。蛇腹の付加による指表現の紹介。

『最新・折り紙全書/伝承折り紙の展開と応用』笠原邦彦日本文芸社 1988)

 伝承作品をさまざまな切り口で検討し、創作の発想法を紹介。(氏の本は多くがテキスト豊富で読み応えがあるが、個人的に推す1冊)

『折り紙3/イメージと技巧』桃谷好英・澄子(創元社 1988)

 創作テクニックに絞った書として、さまざまな折り技法やアイデアを紹介。

『本格折り紙』前川淳(日貿出版社 2007)

 創作法に関する記述は少ないが、現代折り紙理解のための基礎知識が網羅されている。

『神谷流 創作折り紙に挑戦!』神谷哲史(ソシム 2010)

 創作法に関する記述は少ないが、コンプレックス系を折るに当たって必要となる知識が網羅されている。

Origami Design Secrets: Mathematical Methods for an Ancient Art, Second Edition』Robert J. Lang(A K Peters/CRC Press 2011)

 基本の折り技法、基本形、カド割り、付加法、円領域による設計法、蛇腹設計法等、幅広く網羅。英語だが図版豊富。

記事「制約への挑戦」川畑文昭

 『季刊をる』1〜4号連載。簡単な分子設計や表現技法等の紹介。

記事「伝承折り紙再発見」中野獨王亭

 『季刊をる』1〜4号連載。付加を主として伝承基本形の応用法。

記事「私の折り紙 新・工夫論」笠原邦彦

 『季刊をる』5〜8号連載。「イメージ・ゲーム(見立て)」を中心にした創作法。

記事「カドを折り出す話」川畑文昭

 『空想おりがみ』(おりがみはうす)巻末掲載。円領域分子法の紹介。

記事「実用折紙設計法」目黒俊幸

 第13期JOAS会員特別配布資料。『折紙探偵団新聞』連載記事の再録。円領域分子法に関連する基礎を紹介。同様の内容は目黒HPに掲載されている。

記事「蛇腹折り設計方法入門」川畑文昭

 第16期JOAS会員特別配布資料。神谷パターンは扱っていないが22.5度との接続法など。

記事「気軽に始める22.5度系創作法」小松英夫

 『折紙探偵団マガジン』121号〜連載(全6回)。前川設計の基礎知識ケーススタディ

2016-11-27

「チャウチャウ」

Chow Chow

ぼんやりと手慰みに折っていたときに見えた顔の見立てから作ったもの。

最初の瞬間は「これ完全にチャウチャウの顔だ!」と思えたのだけど、その後画像検索で調べていたらだんだん自信が無くなってきた。チャウチャウを飼っていて見慣れている人にはどう見えるのだろうか、などと思ったりする。一応、信頼できる折り紙者の人からはチャウチャウと言ってもらえたので全くの独りよがりでは無さそうではあるが、多分に「折り紙記号的」な造形という感じはしている。


厄介なことにこういう見立ては作品になるかならないかが0か1かなところがあって、改良できないかと対象に近づけるような折りを加えてみても、大抵はうまいことにはならない。あるいは、見立てのデザインのコア部分だけ取り出して構造から再構築してもっとリアルに寄せることは可能だろうが、そうなるともう別物になってしまう。


折り畳まれた部分を一折りすると、一気に顔の見立てが生まれるところなど、西川さんの「シンプルライオン」や前川さんの「日本猿」に近いテイストに思う。それらの作品は、胴体部分は、顔の見立てを強調するためにあっさりとした造形となっているが、本作でもそれを意識してまとめた。最初の作では足がもう少し短くなる折り方をしていたが、そのせいで小型犬っぽくなってしまうようで「ポメラニアンに見える」という声もあり、nhさんのアドバイスで胴体下部にフチを作る折り方に修正した。


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展開図。左辺の折り込む部分は、耳に裏白が出ないために役立っている。左辺上下で三角に折り込む部分は、当初中割り折りにして後半身側のカドを差し込むことを考えたが、下手に留め折りにしない方が毛の感じが出るのでやめた。

折り出し比率はちょっとややこしい(6+32:4+32)。ReferenceFinderの近似解が使いやすそうだ。

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2016-8-27

初音ミク折り紙まとめ

初音ミクとは……と改めて説明の必要もないだろう。2007年に発売された音声合成技術を用いたボーカル音源であり、その声の主として設定された架空のアイドルキャラクターだ。

本来のボーカル音源としての使用に留まらず、キャラクターとしても後続する同種のキャラクターと比較してダントツの知名度を誇り長期の人気を獲得している。理由の1つには「(青緑色の)巨大な2つ結びの髪型(ツインテール)」を押さえるだけでそれと認識できる分かり易いキャラクターデザインの力があるだろう。

折り紙においては、やはり巨大ツインテールのカド出しが興味深く挑戦心をそそることも相まってか、非常に多くの創作家が手がけている。以下にまとめてみた。今回改めて検索したものであっておそらく漏れもあると思う。記憶があるのにウェブで見つからなかったものもある。

(追記8/28:みねおさん通常版、柏村さん、阿超さんの作品を追加)

(追記8/29:Dr.オリィさん、暗黒王子さん、奥家さんの作品を追加)

(追記9/25:モニョニョさん、生誕祭2016近辺に創作された作品を追加)

(追記9/26:(@皿@)さんのver1.1とみねおさん通常版新作を追加)


さて、8月31日が初音ミクの誕生日(発売日)ということらしく、現在進行形で何人かの若手作家が創作しているようで、Twitterで試作などを目にすることができる。それに触発されて……というわけでもないが、たまたま待ち時間に紙をいじっていたらそれっぽいものができたので最後に紹介。

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▲中央緑のみ髪の仕上げが違う。

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▲展開図。基本は8等分。

問題のツインテールをカドとして折り出さない、いわばレリーフ式のインチキ構成だが、折り紙においてはこれもまた正攻法と言えるのではないだろうか。

折り線は少ないものの、最後に半開折りの角度を調節しなくてはならず、難易度を上げているのがよろしくないところ。体の折りはちょうど良く自立するようなものを探してみたのだけれど、もっと良いのがあるような気配がある。ネタとしてパッと数分で折れるところは良い点かな。

*1ニコニコ動画に投稿されたもので現在は見られないがサムネイルが残っていた