商人道で頭いっぱい
わざわざ、経済学史のほう送ってもらったのですが、例によってまだ読んでません。まあ、小飼弾氏がとりあげたんで、ここに書かれるより、すでにブログ界では有名かと思うので、勘弁してください(意味不明)。
- 作者: 松尾匡
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弾さんのエネルギー保存則云々も、たぶん、弾さんの元ネタである安富歩氏の「生きるための経済学」を含めていいたいことはあるんだけど、そっちのほうより、『商人道』のある部分に関心が向いていて、全然自分の専門でもない竹内洋の本なんか読んでました。
生きるための経済学 〈選択の自由〉からの脱却 (NHKブックス)
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- 作者: 竹内洋
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あたまのなかでまとまれば、ここで書くのかもしれないけど、今はええかげんな言及にとどめます。松尾さんは、日本が第二次世界大戦に向う時期の思想史の問題を商人道と武士道との対立として描いているけども、それは松尾さんの独自のとらえかたで、通常は(松尾さんの図式にとらえなおせば)武士道部門の中の階層問題として、とらえられてきたと考えるべきだと思います。丸山真男も吉本隆明も(吉本の丸山に対する批判にかかわらず)この側面からは、同型の問題として共産主義者の転向の問題もふくめた日本の思想状況をこの武士道部門の階層の問題ととらえていたと思います。
したがって、松尾さんがその時期の日本思想史の問題を武士道と商人道の対立としてとらえることは、すくなくとも、当事者の意識とは相当な乖離があるといわざるをえません。その一方で、丸山や吉本には、武士道部門内部の階層の問題しか見えていないので、松尾さんの分析は日本思想史に関する切口としては、あらたな視点を提供しているといえるのだろうと思います。
ただ、松尾さんが自らと丸山のような近代主義者の継承者ととらえるのは、はっきり違うと思います。丸山には商人道などみえていなかったと考えるほうが、すくなくとも自然で、松尾さんは丸山のような旧近代主義をのりこえる、新近代主義を標榜したほうが、わかりやすいように思います。
松尾さんには理解可能な情報は書いてあると思いますが、わからん人には全然わからん書き方になりました。でも、思想史の素人が新書本や文庫数冊で勉強した情報だけで書いているので、興味がある人は上にあげた竹内洋の本や鹿島茂の吉本隆明本などで勉強してくれるとうれしいです。
- 作者: 鹿島茂
- 出版社/メーカー: 平凡社
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