カールス・ジュニア、ハンバーガーの大型新人。

クリエーティブ・ビジネス塾24「ハンバーガー」(2016.5.30)塾長・大沢達男

「カールス・ジュニア(Carl's Jr.)、ハンバーガーの大型新人」

1、カールス・ジュニアとシェイク・シャック
ハンバーガーはお好きですか。嫌いな人なんていませんよね。そしてだれもが、ひと言あるでしょう。ンとさー、マックはどうもね・・・、モスはまあまあ・・・、好きなのはフレッシュネスかな・・・。新しいハンバーガー・レストランが日本に上陸してきました。
まず秋葉原にオープンした「カールス・ジュニア」(2016.3上陸。現在、この1店だけ)。 米・カリフォルニアからやってきました。いまオープン記念セール中、一番安いハンバーガーを頼んだら「サービスのお肉を1枚、お付けしますか?」「はい!」。ただでさえボリュームたっぷりがとんでもなく大きなハンバーガーに変身しました。おいしい!一年分のハンバーガー食べた気分になりました。ハンバーガーとコーラで1000円程度。平日に午後1時、せいぜい50席位の小さなお店でしたが、それほど待たされませんでした。気になったのはシンボルマークなどのお店のデザイン、あか抜けていない、田舎っぽい。
もうひとつも、アメリカから<マックキラー>の「シェイク・シャック」(2015.11上陸)。現在、明治神宮の外苑前と山手線の恵比寿にオープンしています。恵比寿のお店に行ってきました。こちらの店舗はオシャレ。若い女性スタッフ中心で、全員が黒のユニフォームを着ています。平日の2時を過ぎていたのに、大盛況。並んだ並んだ!注文にたどり着くまでに30分もかかりました。一番安いチーズバーガーと特製フレンチフライとコーラで、何と1230円。高っ!でも、おいしい。
2、Love Free and Peace.
ハンバーガーは、Love Free and Peace.(愛、自由、平和)。アメリカ人の発明で、アメリカそのものです。
第1にハンバーガーはLove(愛)です。子どもと老人にやさしい愛のメニューです。
ハンバーグは、挽肉とみじん切りにした野菜で作られています。栄養があり、消化によい。何よりも咀嚼力(そしゃくりょく=かむちから)の弱い、こどもや老人にやさしい食材です。原型はタルタルステーキで、13世紀にヨーロッパに攻め込んだモンゴル帝国タタール人のよって伝えられ、ドイツのハンブルグで労働者用のメニューとして発達します。その後18~20世紀にかけて米国に移住したドイツ系移民により米国で流行しハンブルグ風ステーキ、ハンバーグステーキと呼ばれるようになり、ハンバーガーに発達します。
第2にハンバーガーはFree(自由)です。マクドナルドのハンバーガーは1940年代にマクドナルド兄弟によって始められます。それを世界的なチェーンにしたのはレイ・クロックです。シンプルメニュー(基本はハンバーガーとコーラだけ)、セルフサービス(自分で買いテーブルに運び、食後は自分で片付ける)、フィンガーフード(ナイフとフォークはいらない。手で食べる)、これがファーストフードです。クルマで買いに行き、どこででも、たとえクルマの中でも食事ができました。
第3にハンバーガーはPeace(平和)です。アメリカ生まれの国民食は、世界のどの国でも、どの地域でも愛されました。ハンバーガーは国境もイデオロギーも越えました。ハンバーガーを食べている国同士は戦争をしないという神話さえ生まれました(現実は平和神話を裏切っていますが・・・)。
日本にはマクドナルドが1971年に上陸。1号店は、銀座の4丁目、デパートの三越の1F、まだクルマと道路が本格的に発達していない日本での郊外店は無理でした。そのあとは、快進撃を続けました。
3、ハンバーガーは面白くなる
若者に人気の「フレッシュネス・バーガー」(サントリー系)に新しいニュースが入ってきました。大手のファミリーレストラン「ウエンディーズ」(現在1店だけ、ほかにコラボ店が2店)に買収されるのです(7月)。ポピュラリティーのウエンディーズとスペシャリティーのフレッシュネスの結婚は面白そうです(日経5/24)。そして、バーガーキングは490円のセットメニューの販売を始めました。高価格と低価格の戦いもあります。
日本マクドナルドはこのところついていません。まず中国から賞味期限切れ鶏肉の輸入問題、そしてハンバーガーへの異物混入事件が起こりました。さらには世界のマクドナルドは、健康志向ブームで嫌われ、サンドイッチの「サブウエイ」の追い抜かれました。しかし、ビッグマック370円(セットは670円)は安い。肉の風味とのジューシーなおいしさでは劣るものの、価格を含めた満足度では、どこにも負けていません。
ハンバーガーはまだまだ可能性のある食品です。開拓精神のハンディでフットワークにいいメニューとしてだけでなく、シルバー世代の貴重な栄養源として、クオリティライフを守る食品としての可能性があります。
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