Oyajisculler's blog

(おやじスカラー戸田便り)

ジュニアエイト、始動

oyajisculler2014-08-30

インカレ後、5日間ほどフライをとっていたジュニアは、昨夕、合宿所に集合。エイトのリギング・整備後、夕刻にミーティングを実施。これから新人戦に向けて約5週間のトレーニングを行った上で、本番の全日本新人戦に臨む。
クルーは、6月の京大戦のエイトクルーと同じ。コックスは2名いるので改めて選考をやり直す。また、東商戦後に、肩を痛めていたA尾がリハビリから復帰し、新人戦はエイトの補漕を兼ねつつシングルスカルに出漕する。

新人戦に向けた新たな取り組み:

今回の新人戦エイトでは、京大戦時から以下の様な幾つか新たな取り組みを行う。

  1. スキニーオール: インカレで、4+と2-クルーが使って良い感触を得たので、新人戦エイトでもトライしてみる。レース後半やスパートでの艇速改善に効果があると期待している。
  2. ノーマルストレッチャー: 乗りこなすのが難しい高性能エイト艇である無限号(Sykes M40G)を乗りこなす事を狙い、昨年度の新人戦から、SRDを装着して使ってきた。しかし、SRDを装着すると、艇重量が102kgを超える重さとなり、やや不満が残る。インカレでは、4+や2-などの小艇に出場したが、練習の成果もあり、小艇でもバランス良く漕げる技量がついてきた。そこで、今回、無限号に乗り換える際に、ストレッチャーを軽量型ノーマルストレッチャーに戻し、様子を見てみる。今年のジュニアエイトは技量が良いので、SRDの世話にならずとも高性能艇:無限号を乗りこなせると期待している。
  3. エイト新艇への乗り換えの可能性:今年6月に納入した、フィリッピ製F42型(70〜85kg漕手用)のエイト新艇"天寵"。ここ数年活躍目覚ましいライバルH橋大や、M治大、TレS賀が使用しているエイトと同型。実績は十分であり、状況次第では一度乗り換える事を検討予定。ただ、平均体重71kg弱の軽量クルーには、Sykes M40G(60〜75kg漕手用)の方が合っていると思う。

以上の新兵器(含む発掘兵器)を試用しながら、ベストの道具を使って、今年度の集大成である新人戦に全力を上げて取り組む予定。

以下、今日の1日。

早朝、ポンドでCAL値補正

無限号の使用は、約二ヶ月ぶり。先ずは艇速データの精度確保の為に、戸田コースを使って、1000m x 2によるSpeedCoach CAL補正を行った。インカレまで対校エイトに乗っていたA藤、H田を入れ、二ヶ月ぶりのジュニアエイト乗艇。混雑するポンドでバタバタするかと思ったが、案外、スムーズに漕いでいた。
それにしてもポンドの混雑は酷い。今日はゲートが開いていたので、まだマシな方だが、ゲートが閉まったら曳き波が酷くて練習にならないのではないだろうか?
まあ、我が方はがら空きの荒川で練習できるので問題ないが。。。
ポンド乗艇:橋の上から

午前: エイト艇、Sykes:無限とFilippi:天寵の比較勉強会

先々の天寵への乗り換えの可能性も含めて、両艇を横並びに置いて、船型、構造、剛性などに関して、比較観察を行った。おやじの本来の目的は、天寵に採用されたF社の新構造(改悪)へのクレームする為の写真撮影。しかし、折角の機会であり、船型や構造など、ジュニア選手へのレクチャーも兼ねた比較観察会とした。以下、両艇を比較した際に撮影した写真とおやじの一口メモ:
 フィリッピ新艇”天寵”とサイクス艇”無限”の船型・構造比較(勉強会)
 手前:Sykes-M40G、奥:Filippi-F42 M40GのBowカンバスは濡れ面積最少を狙い太く短い。一方、F42は造波抵抗最少を狙い、細く長い。
 手前:Sykes-M40G、奥:Filippi-F42 M40GのSternカンバスは船尾造波抵抗最少を狙い、細く長い。F42は、濡れ面積最少を狙い、深く短い。両艇の設計思想が全く異なることが一目瞭然。
 F42のストレッチャースペース。両サイドのデッキは単板(ウェッジを一体成型するために単板になった模様。何となく試作品的?F社では偶にこういう問題があると聞いた。)
 同上、デッキの裏側。両サイドのデッキは単板なので、手で押すだけでベコベコ変形してしまう弱さ。

 M40Gのストレッチャースペース。デッキは現在主流の発泡樹脂のサイドイッチFRP構造でガッチリ硬く出来ている。
  F42のデッキはレールウェッジ一体成型。この構造ではレールワークスルーを6.5cm以上出すとレールが出来にタッチして互いに干渉してしまう(曲げ合う)。
 F42の一体成型デッキの裏側。曲げに弱い単板を補強する部材が入っている。 F42のシート。レールのゲージ(コロの左右間隔)は300mm。エイト艇の一般ゲージは280mm。ゲージを広げた結果、上記の問題が発生した模様。
 M40Gのデッキと外付けウェッジ。ワークスルーを大きく出せる。
 F42のウィングリガー取付基部。軽め穴が大きすぎて構造が弱くなっている様な気がする。(この取付フランジ部をもっと小さくすれば軽め穴など不要になる様に思われる)
 バックステーの取付基部。ステーの角度が任意に変わっても追随できるように基部のフランジ部が半球型になっている。しかしそこまでしなくても良いし、強度的に弱くなっている様に思われる。

エイト艇比較後に、スキニ―オールの長さ調整を実施。元々OB用に購入したオールなので長さが367〜372cmと一般的なオールより3cm短い。ジュニアエイトが京大戦時に使っていたものより2cm短いので、少し無理して5mmほど伸ばしてみた。
 スキニ―オールのMicrofiber Suedeをテニスグリップ用皮で補修(1ヶ月でボロボロに)
 スキニ―のアウターグリップはスカルグリップと同じ規格。

午後:荒川で乗艇練習

今日は8月末というのもあるが、朝から雨が降り、日差しも殆どなく涼しい1日となった。日中でも暑さを感じずに漕げる環境は久々。 ということで、午後は、1Xと8+をシリーズでコーチングした。
最初に新人戦に1Xで出漕するA尾を指導した。
岸を蹴った時は、東の風3m、下げ潮で、風と流れが喧嘩する状態。荒川も波がチャプチャプしており、シングルスカルには厳しい状況だった。
笹目橋まではチャプチャプ水面だったが、笹目橋を過ぎるとまずまずの水面となった。折角の機会なので、UTだけではなく、静止スタートやパドルの短漕もやらせてみた。モーターで一人だけを指導するのであり、そのコーチングの密度は集中的なものとなる。
今日は、ワークハイトの調整を水上で行うなど、A尾にとって次へのステップとして良い機会になったと思う。
 PM:A尾の1X乗艇@荒川。笹目橋までは水面がチャプチャプで波があった。
 大曲より上流は波無し。
 復路:大曲→外環自動車道へ

A尾が笹目橋を通過する時に、ジュニアエイトが上流に向けて上がってきた。ここでエイトのコーチングへ切り替え。
この頃には下げ潮から転じて上げ潮となり、風向きと流れが同一方向となったため、水面の波は治まった。
さて、前述のスキニーオール、ノーマルストレッチャー、無限号という新たな組み合わせ。みたところ、UTなど低レートのUTは良い感触で漕ていた。
一方、静止スタートやハイレートパドルでは、水中強度が高いために、シャフトのしなりが大きくなり、レートが上がりにくいという漕手の感想が出た。物理現象であり、止むを得ない部分あり。これをどう対処してゆくかが今後の課題だ。
以下、午後乗艇の様子:
 ジュニアエイト 3km漕で秋が瀬へ(秋の青空とうろこ雲)
 同上、フィニッシュ押切。スキニ―がよく撓る。
 笹目橋を通過し、下へ向かうと水面が荒れていた。
 真後ろより。B-sideのリカバリーが低いので水面を擦りやすい。
 よく撓るオールは、漕手に自分が押す力を自動的にFBしてくれる。

以上