パリで習ったレシピ〜走る陶芸家マミさん
陶芸家のマミさんはフランス中を走り尽くしているランナーで、本も出されています。いつものジョギングコースで撮影させてもらいましたが、うらやましすぎました。パリから引っ越した芸術家アパートから歩いてすぐ、右手にモネが描いたセーヌ川が流れ、左には緑たっぷり、車のほとんど来ない遊歩道があるのですから。かけっことは無縁だったそうですが「川辺の緑に誘われて」走るようになったといいます。ものすごくわかりました、これはどうしたって走りたくなるなあ。
料理好き酒好きが高じて、陶芸の道にもどっぷり浸かっている生活なのだとか。陶芸家に「ピクニック」はつきものです。自宅での窯出しだって「ピクニックしながら」です。「ピクニック」というと野っ原でも公園でもいいのですが、わざわざどこかへ行く「行楽」が日本的な解釈ですが、フランス語では「単なる外での食事はすべてピクニック」な感じです。陶芸家同士だと作業台に自作の器を並べ、バゲットにディップ、テリーヌやパテを盛って・・・となります。フランス人からは和食を期待されるのでMAKI(巻きずし)にガリをたっぷり添えたり、煮物を持って行ったりするそうです。とはいえ秘蔵のラム酒漬けレーズンをたっぷり入れて、スパイスを効かせたキャトルキャール(パウンドケーキ)も「フランス人ウケてっぱん」だそうです。
準備してくださったのは「ポール・ボキューズ直伝のディップ」です。「絹織職人の脳みそ」と呼ばれるフロマージュ・ブランを使ったディップで、取材の合間に手をとって!教えてくれたのだとか。セルフィーユとにんにく、エストラゴン、パセリを水切りしたフロマージュ・ブランに混ぜるだけです。レバーのマスタード炒めは「ランナーフードですね」。エシャロットとレバーを炒めて、ディジョンマスタードとコルニッション(酢漬けキュウリ)を混ぜます。
「体にいいものか幸せになるものを摂ろう」。「1日じゅうおやつタイム」というマミさんの名言です。おやつは、幸せカテゴリなんだな。
初マラソンは2002年、ゴールすると熱々のエスカルゴがふるまわれたブルゴーニュだったそうです。いまや自己ベスト3時間21分!フランス選手権出場資格までお持ちなのだからすごい。子どものころ徒競走が苦手だったところは私も同じなのですが、いかんせんタイムがすごすぎます。しかもコーチもなしの自己流というのですから。秘訣を聞きました。「走り始めたころからしているのは・・・」と話してくれたのは「空腹の状態で本番4日前に30キロ走る」「レース前夜は鰻の蒲焼き」「レース5時間前にはちみつたっぷりのパンと砂糖なしミルクティー」だそう。よーしマネしよう・・・。ご著書を読むとどこもさすが国民総キャラ立ちのフランス、どこのマラソンもおもしろ過ぎます。マミさんがマロワル村での20キロレース後に知ったという「フラミッシュ」(ブリオッシュ生地のキッシュ)のレシピも再現できたらいいなあ。
☆マミさんレシピ〜
・ムッシュー・ポールの絹織職人の脳みそ
・絶品タラマ
・ランナーのためのレバーディップ
・メロンとスイカのサラダ
・プラムのクラフティ(2種類のプラムを使用)
・レース5日前のはちみつパン&砂糖なしミルクティー
・キャトルエピスのカトル・カール
・フラミッシュ
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