新宿2丁目は消滅する

ウィキペディアの新宿2丁目にも書いておきましたが、薔薇族2代目編集長の竜超氏は「消える新宿二丁目」(彩流社)で、「ゲイの街・二丁目は、今や風前の灯」にあるとして、警鐘を鳴らしています。

2008年の副都心線「新宿3丁目駅」の開設で、2丁目界隈はミニバブルが起きて地価は上昇し、ゲイバーの入る不動産家賃も上がっていると言われています。高層のオフィスビルなども増え、2丁目に来るゲイが減っていることとも相まって、経営が苦しくなっているゲイバーも多いのが実情です。

同じ危惧は90年代末頃から抱いていました。その頃から2丁目には異性愛者向けの飲食店などが異様に増えたのです。地下鉄新駅がその傾向に更に拍車をかけました。

JR新宿駅から2丁目までは遠く、山手線を降りたら大人の足で15分はかかります。少々交通の便が良くなかったから2丁目という淫猥な街が成立し得たともいえます。家賃が安く、ゲイバーが入り易かったのです。

それが副都心線3丁目駅からは渋谷と池袋という巨大ターミナルに行けてしまうのです。これまでも都営新宿線と丸の内線の新宿3丁目駅はありましたが、余り使う人はいませんでした。それに比べ、副都心線新宿3丁目駅は、東京の商業の中心になるという人もいるほどポテンシャルが高く、ここに店やオフィスを構えようという企業はどうしても、3丁目駅に近い2丁目で物件を探すことになります

このトレンドが続くと、将来は他の街との区別がなくなってしまう、つまりはゲイタウンではなくなってしまうのではと危惧します。そうさせないために、新宿二丁目振興会で非ゲイ関係の企業や店舗にゲイタウンとしての2丁目の特徴を尊重するように、協力を求めるべきだと思います。毎年開催されている、ゲイ・レズビアンのためのイベント「レインボー祭」にも協賛を求められたらいいものです。