モボ・モガの時代から戦争の時代へ

[昭和前期] 軍国主義台頭の時代/女性の洋装の成熟
 
洋装が女性たちのあいだに浸透した昭和初期の『婦人画報』は、さまざまなかたちで女性たちに「スタイル」を提案し続けます。断髪洋装はもはや一部の女性たちの特殊なファッションではなくなって、銀座にダンスホールができ、カフェが登場し、街を颯爽と歩くモボ・モガたちの姿が話題となります。しかし一方で、1929年に始まった世界恐慌の嵐のなか、日本は次第に軍国主義の色を濃くして行きます。1931年満州事変、1932年5.15事件、1933年国際連盟脱退、1936年2.26事件、そして1937年の日中戦争と、日本は第2次世界大戦へと突き進んで行くのです。1938年の国家総動員法の制定以後は、生活用品が配給制となって、国民生活はどんどん逼迫して行きます。
 
[戦時中] 物資統制の時代/雑誌にとっても冬の時代に
 
やがて生活物資だけでなく、紙や印刷までが統制下に置かれました。紙質が悪くなりカラーページも減り、『婦人画報』は次第に婦人画報らしさを失っていきます。1940年10月号の「働くための服装」という記事では、女性の服装には「戦場に於ける制服としての仕事着と家庭での仕事着の二つの方向」がある、としています。ファッションを語れる時代ではありませんでした。

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