チリの風  その733  2017年5月22日―28日

天気予報では今週サンティアゴは3日間雨でした。確かに雨になりましたが、小雨だけで雨の日と言う感じはなかったです。
月曜日、大気汚染で準非常事態宣言が出されました。山歩きをしていると、普通は昼頃からスモッグが出るのですが、その日は予報の通り朝早くから空が黒かったです。続いて土・日と警戒警報が出て、サンティアゴの大気汚染問題はかなり深刻です。
さてチリの建築物に関するセミナーに参加してスペイン領時代から、現在までどんなスタイルの建築がされてきたか勉強しました。
それからクラシック室内楽の演奏会にも行きました。その中でチェロの演奏が良かったです。
土曜日のサッカー教室は絶好の秋日和でした。低学年の子供が多かったですが、約20名で楽しくプレー。日曜日はマラソン練習。
トレッキグ、サッカー、マラソンのスポーツ、それに文化活動と健康に恵まれ楽しい毎日を過ごせる幸せを感謝しています。

(政治)

1) 隣国との関係
今週、バチェレットは大統領就任式に参加の為エクアドルを訪問しました。
その前に、チリの国会議員(与党と野党側を含む)が彼女にキトで出会うベネスエラのマヅロにそこで逮捕されているチリ人ジャーナリストの釈放を要求するよう依頼状を渡しました。これに関し、共産党は他国の問題にチリが口を出すのはいかがなものか、まして三権分立の裁判所の権限を無視するようなことをすべきでないとその動きを拒否しました。  ところが同じような例でボリビアの軍人などがチリで逮捕されていることについて、私たちはボリビア人を最大限に援助・保護したいとコメントしています。彼らのモラルは理解しにくいですね。
さて結論ですが、ベネスエラで8か月間、刑務所に留置されていたジャーナリストは、何と自宅監禁刑に変更になり、家族の下に戻りました。司法と言うより大統領の指示が動いたのでしょうね。
2) 大統領選挙
今回は全く盛り上がらない選挙で、あの88年の軍事政権継続可否の選挙の時の熱気が懐かしい。もうピニェラに決まっているなら選挙も不必要と言うほど。
1次選挙で誰に投票するか、私はまだ分かりません。前回はMEOがチリの新しい風と考え彼に投票しましたが、ブラジルからの援助で自家用飛行機を使って選挙運動をしていたのがばれて、なんだこいつも同じかと熱が冷めました。もう右も左も政治家は誰でも同じと言う気がしています。悲しい現実。
もっともピニェラが圧倒的に勝つのはどうかと思うので、他の候補者に入れるつもりです。
先週の社会党の不祥事に関し、そこの元党首は「社会党員は党の資金を投資していたことは誰でも知っている。しかしそれがどこに投資されていたかは知らなかった。この問題で社会党の基本、社会主義と党の運営について大きな疑惑が暴露されたことは事実だ」としています。
世銀の発表でチリは最貧層が3%あるが、左翼政権のベネスエラ・エクアドルボリビアはそれが15%を超えているとか。
3) マプチェ問題
これも同じことが繰り返されていますが、今週は特にひどく、7台のトラックに火がつけられました。今年に入って合計33台になるとか。
与党側の候補者ギジェルはこの問題に関し、「テロ法案とかを持ち出し大げさに騒ぐのはいかがなものか、警察・検察は真摯に捜査を進めている」としました。
ピニェラは直ちにそれに反応し、「一度現地を訪問されてはいかがか。現地の人は正常な生活を送れないと恐れています」とコメント。
野党側からギジェルが与党側候補者になったのは彼が大衆受けするからで、政治力があるからではない。またその政治力がないことを与党側の政党は利用し、自分たちの思うように彼がトップに立つ政府を動かそうとしている。従って、もし彼が次の選挙に勝てば、現行のバチェレット政権よりひどいものになるだろうとコメントされています。
各州に自治を認めるため州知事を現行の政府任命でなく選挙で選ぶとしていましたが、与党各党は慌てて選挙制にするのを止め、しばらく様子を見ようと風が変わってきました。ゴイッチDC党大統領候補はその風を元に戻すため、ギジェルにリーダーシップを取って今年の11月の国政選挙の時に同時に州知事選挙を行おうと呼びかけています。
さて問題になっている第9州(州都はテムコ)の州知事は決断を出すのが難しいとコメントしましたが、トラックを何台も燃やされたトラック組合は彼を強く批判をしています。覆面グループはまずトラックに銃弾を浴びせ、その後に火をつけると言う手法です。
大統領候補の一人MEOはテロ法案を利用しこの問題に当たれば、チリにはテロ組織があると世界は認識し、現在上昇している外人観光客が減少するのは自明と自粛を要求しています。
4) 警察の不正事件
毎週のように新しい事実が見いだされ核心に迫っています。しかしまだアッと驚くことが出てきそうです。

(経済)

1) チリ経済の見通し
中銀総裁によると今年の後半からチリ経済は活性化するはずとしています。ホンマかな。
2) SOFOFA産業振興連盟
同組織の本部ビルにカメラと盗聴装置が付けられていたことが発覚。誰が何の目的でそれを設置したのか、犯罪行為として裁判所に正式にクレームが届けられました。
来週、その組織の会長選挙があるのですが、それに関連しているのか(つまり内部の問題)外部団体が彼らの動きをスパイしようとしていたのでしょうか。チリではこのような問題は今まであまりなかったのですが、アメリカの大統領選挙以降なんだか世界的にはやっているみたいですね。
彼らが時として反政府の動きを見せるので政府がチェックしていたのではないでしょうね。まさか。
3) 銅の価格
先週とほとんど変わらず銅はポンド当たり2.6?、1ドルは670ペソでした。
コデルコは第1四半期で国庫へ5億3千万ドルの納入を行い、ましたが、これは前年度1年分を上回るとか。また全部門の鉱山で黒字になっているらしい。理由は銅価格が昨年の2.26ドルから今年は2.64ドルに上がったからとされています。

税関職員のストがまた起こっています。
ストがあちこちで起こるのはチリの悲しい習慣ですが、今回税関職員がストに入りました。組合は前回のストの際の合意事項を政府が守らないからとしています。いやはや。
このためアルゼンチンとの国境にトラックが長い列。もう5日も動けないと泣き顔。バスも通関手続きが遅く、延々と列が続いています。チリ国内で果物・野菜や肉などの食料品の値段が上がると心配されています。
 

(一般)

1) 文化財解放の日
今日は各地で多くの文化施設が一般市民に開放されました。その一つ、モネダ宮殿に訪れた大勢の観客の1グループをバチェレットがガイドになって案内しました。観光客は大統領が自分の事務所の机の前まで連れて行ってくれたのには感激しましたとコメント。

(スポーツ)

1) サッカー
5大陸の大会優勝国が争うコンフェデレーション杯が近づきました。あと2週間で開始です。今回はロシアでこの大会は開催されますが、アメリカ代表のチリはもしかすると世界1位になれるかと希望する人もいるようです。


以上