下町散策

piedra-blanca2009-07-19


二日目の東京。
今日、彼は3年ぶりに東京に住む知人に会いに行った。


その人は墨田区に住む60代の男性で、そのおじさんと彼は、彼が高校2年(4年前)の春に上野公園をぶらぶらしていたときに知り合った。
どういう経緯か上野を案内してもらうことになり、なんだか気づけば仲良くなっていたという不思議な人である。
その1年後、彼が大学に入る前にもう一度東京へ行ったときにも銀座を案内してもらい、その後も年賀状などでやりとりをしていたらしい。
今回も、この機会に一度会っておこうと思った彼が手紙で連絡を取った。
そう、彼は筆まめなのだ。



おじさんは彼を部屋に招き入れてくれ、鰻丼弁当をご馳走してくれた。
今日は土用の丑の日である。
彼はごはんを食べながら麦酒を頂き、いろいろな話をした。
今まで謎に包まれていたそのおじさんの経歴も明らかになった。


おじさんの部屋からは、新東京タワー"スカイツリー"が見える。
現在75メートルくらいまでできあがっている状況だが、完成すると610メートルという想像もできない高さになるらしい。



3時間ほどおじさんの部屋でまったりと過ごした後、彼はおじさんとともに散歩に出かけた。
業平橋駅から牛嶋神社、水戸徳川邸蹟、隅田川アサヒビール本社を経て浅草橋を渡り、仲見世通り、浅草寺を経て花やしき、ロック通りへ至る。
実に3時間に及ぶ長い散歩であった。

アサヒビールの本社ビルは、ジョッキに麦酒を注いだようになっていて、泡まで見事に再現されている。
その横にあるスーパードライホールの上には金色の細長いオブジェが乗っているのだが、これが「うんこに見える」というもっぱらの噂である。
本当は情熱の炎を象った物らしいのだが、当初3本を縦に設置するつもりが日照権の問題で1本を横に設置することになってしまったため、このような悲惨な状況が生まれてしまったのだろう。
現在も見紛うことなき「うんこ」として、浅草の観光名所になっている。




そのあと、おじさんに晩ご飯までご馳走になった彼は、祖母の家に帰った後さらにこの日2度目の鰻丼を食べた。
挙げ句、おばが用意してくれていたケーキまでむしゃむしゃ食べた。
もうすぐ彼の誕生日である。