東アジア平和への提言
時代のキーワードは「世襲」である。東アジアのトップはこれですべて「世襲政治家」になったのである。
中国の習近平、韓国の朴槿恵、北朝鮮の金正恩、そして我らがアベちゃん(敬称略)。
じつに壮観。見事である。時代の空気を反映している。世襲がいちばん! 世襲は地球を救う!
これを機に「世襲サミット」をひらいて、世界に向けて世襲を、じゃない、平和をアピールしてはどうだろうか。
名称は「東アジア世襲同盟」……とか。もちろん “人工衛星” を打ち上げてお祝いをするのだ。
……などと一人で盛り上がっていてもしかたがない。じつはこの世襲状況は、ある新聞のコラムがおしえてくれたのである。たしかに、いわれてみるまで気がつかなかった。
しかしこの4氏の系譜をひもとけば、世襲政治家といえどもそれぞれかなり色合いがちがう。
習近平の父は元国務院副総理だった。しかし文化大革命のときに批判され、息子は農村部へ下放された。共産党の高級幹部を父に持つとはいえ、それなりに辛酸をなめているのである。
朴槿恵は、クーデターで実権をにぎった朴正煕の娘として有名である。父や母を殺害され、自身も暴漢に襲われるなど、波乱の半生を送っている。
金正恩は、いわずと知れたあの将軍様の息子である。国を私物化する「金王朝」の3代目。世襲でゴールインしただけの “クール” な若者である。もちろん実績はなにもない。
そして、アベちゃんだ。じいさんが総理大臣で、父親は自民党の大幹部だった。申し分ないサラブレッド。家柄に弱い日本人には願ってもない人物である。
当たりはソフトだが、ずいぶん危ないことを淀みなくおっしゃる(滑舌はべつとして)。その落差がまた、一部の右寄りな人々にはたまらない。
とまあ、ならべてみればずいぶんとちがう。なかなか話しがまとまりそうには思えない。でもこの4人が一堂に会いすれば、それはノーベル賞委員会がだまっておるまい。
画期的なことにはちがいないが、たぶんアメリカもだまっておるまい。「環太平洋反世襲同盟」をつくって対抗してくるハズだ。
え? そうじゃなくって? ……。(O_O)
(photo:冬の空)