【辛口評価】世界一わかりやすい放射能の本当の話(子供を守る編。宝島社)
【レビュー、口コミ・評判】
放射能関連の本を購入しましたので、感想・書評などをメモとして残しておきます。
・世界一わかりやすい放射能の本当の話(子供を守る編。宝島社)
全体的には、放射能について基本的なことがソツなく整理されていると思います。
100ページ程度の分量で、価格は500円。
・同じ放射線量でも、大人と子供、男性と女性では危険度が違う
・毎時0.3マイクロシーベルトが避難の基準
・海産物は生物濃縮に注意
・内部被曝は低線量でも危険
上記のようなことが整理されています。ただ、研究熱心な親御さんなら、すでに知っていることが少なくないと思います。入門的知識が必要な人には役立つ本、といった位置づけになりそうです。
留意点としては、編集者の中に専門家がどうやらいないことです。その割には断定的な口調が多いです。しかし、ところどころあやしい箇所が見受けられます。
たとえば、逆浸透膜浄水器は放射能除去の効果があるということが書かれています。それはそれでいいのですが、ろ過できていないかもしれないトリチウムについての言及がありません。
また、生協の放射能検査については、事実と異なることも書かれているように思います。たとえば、東都生協の検出限界は1ベクレル、とありますが、最近の表記では2ベクレルになっていたと思います。また、生活クラブの検出限界は、検査する食品によって大きく違います。急いで編集したためか、チェックが甘くなっているような気がします。
食材は愛知からは大丈夫、という言及があります。しかし、愛知県東部にも一定量のセシウムが降下したことがwspeediによって予測されています。
(参考)
・wspeedi
・上記の詳細データ(PDF)
放射線対策としてオススメの食材には、シイタケの名前が。茶葉については、九州でもセシウムが検出されたという情報があります。シイタケも茶葉同様、セシウムを蓄積しやすい食材。果たして大丈夫でしょうか。
上記のようなことがありますので、情報を鵜呑みにしない方がよさそうです。
以上辛口の評価をしてしまいましたが、こうした本がどんどん出版されることはいいことだと思います。
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