4号機 問題で、ウォール・ストリート・ジャーナルがブチ切れ(福島第一原発)

【4号機への対処、ウォール・ストリート・ジャーナルが批判】

これまで、日本のマスコミはほとんど言及しなかった福島第一原発4号機の危機。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)日本版が、4号機への対処をめぐって、日本政府と官僚を痛烈に非難しました。

まず、4号機の現状について、WSJは次のように整理しています。

・4号機の燃料プールに保管されている燃料は、使用済み燃料1331体と新燃料204体、合わせて1535体。

・4月になって、アメリカの民主党議員が福島原発を視察。事故処理の状況があまりにひどいことから、日本政府に「国際協力を仰ぐように」との書簡を送付

原発の専門家であるアーニー・ガンダーセン博士は、次のように警告している。
 「プール内の燃料は、上空から丸見えの状態で保管されているため、使用済み燃料が過熱し、燃えるようなことになれば、多量のプルトニウムウラニウムセシウムストロンチウムが飛散。10万人以上が命を落とす」。

・元国連職員の松村昭雄氏は、4月3日付ブログのなかで、ロバート・アルバレス氏(米エネルギー省長官・次官の元上級政策アドバイザー)の試算を紹介。4号機のプールが壊れて水が流れ出た場合、放出されるセシウムの量は、チェルノブイリ事故の10倍に達する、としている。

ケビン・メア元米国務省日本部長は、著書『決断できない日本』(文春新書)の中で次のように述べている。
 「4号機の貯蔵プールには、建屋のコンクリート片が大量に落下。このため、プールの水の組成が化学変化を引き起こし、ラックが溶け出して燃料融解が起きる可能性がある」。

そして最後、次のような批判で記事をしめくくっています。

国民の命と健康を守るためには、政治家や官僚の「国家の威信」や「誇り」など百害あって一利なし、である。

(ソース)
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版:【肥田美佐子のNYリポート】米議員が4号機プールの危険性を指摘「燃料棒取り出しの迅速化を」
 (2012年4月20日)
 http://jp.wsj.com/US/Economy/node_430178

やはり、「4号機が倒壊すれば、危機的状況になる」というのが、海外からの意見の主流のような気がします。


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・[http://d.hatena.ne.jp/rakkochan/20120121/p1:title=武田邦彦教授ブログ:「福島第一原発4号機が倒壊しても、避難の必要なし」]