キングオブコント2008 決勝戦

Aブロック

TKO「合コン」(368点)

合コンというありがちなネタの上に、ボケにも新鮮味はなく、トップバッターであることを考慮してもかなり残念な内容。
番組としてもツカミ失敗で痛かったでしょうね。ショートネタで見せてきた爆発力のために、ちょっと期待値が上がりすぎていたのも厳しかったかも。

バッファロー吾郎「闇の帝王」(460点)

大阪における芸人たちのカリスマ的存在といわれるこのコンビですが、きっちりコントを見るのはほとんど初めてでした。
自分たちのアホさ加減を前面に押し出して、やりたい放題のネタは、他の芸人に好かれるのも納得。「市毛良枝」て。
勝ち抜けは妥当だとしても、2位以下との点差が開きすぎていたことにはちょっと疑問あり。後の2組に比べて、断然だったというほどではなかったと思います。

ザ・ギース「卒業式」(400点)

表記がカタカナになっていると思ったら、THE GEESEから改名していたんですね。
以前オンエアバトルで見たことのあるネタで、そのときには大爆笑した覚えがありますが、今回は緊張していたのか、多少ギクシャクしていたような印象。ちょっと滑舌が気になるところもありました。
とはいうもののネタの完成度は高く、オチもよかった。Aブロックで一番面白かったです。

天竺鼠「乾杯の音頭」(388点)

大舞台でもいつもどおりの天竺鼠。その点は高く評価したいです。
相手関係うんぬんをいう前に、どう考えてもコンテスト向きの芸風ではないと思うので、それほど結果にはこだわらなくていいんじゃないでしょうか。これをきっかけに全国区で露出していくことができれば、この舞台に出てきた価値はあったと思います。

Bブロック

チョコレートプラネット「古代ローマ」(415点)

こちらもオンエアバトルで見たことのある、古代ローマのネタ。
これは好き。ソフトバンケリスのくだりで、もっと爆笑がおこると思ったんですけど。
5分という持ち時間がちょっと長かったかもしれませんが、なかなか健闘していたと思います。

ロバート「トゥトゥトゥサークル」(473点)

ここについては、秋山が演じるキャラに乗り切れないことが多くて、あまり好きになれないんですよね。
ただ、現時点でのお笑い芸人としての技術力という点で見れば、今回の8組の中では最上位に近いと思います。そういった意味では評価しているつもりなんですけど、それにしても点数高すぎないですか。

バナナマン「朝礼」(482点)

今さら感ありすぎのネタですが、安定度抜群。奇抜な設定に頼らず、これだけの笑いを生み出せるのはさすがです。個人的にはぶっちぎりの1位。ロバートの得点を見たときは、まさかここも吉本パワーか?と一瞬不安がよぎりましたが、芸人たちの審査もそこまで偏ってはいなかったですね。安心しました。

2700「お笑いライブ」(327点)

これで327点。芸人の皆さんは優しいですね。
ここが決勝に残ることで誰が得したんでしょうか? 本人たちは知名度があがったことを喜んでいるかもしれませんが、「キングオブコントに出て、ダダすべりしたコンビ」という印象しか残っていませんし、もう一度見たいとも思いません。そして彼ら自身の責任ではないことはわかりつつも、貴重な枠を1つ浪費しやがって…、という憤りすら感じています。

最終決戦

バッファロー吾郎「アンドロイド」

やってることは1本目とあまり変わらないような気もしますけど、こっちの方がよかったですね。
「うの壱」のくだりは大笑いしました。

バナナマン宮沢りえと食事」

5分でも短く感じられるのは実力の証。もっと長い時間見たかったです。


最終決戦の審査結果は、バッファロー吾郎5票、バナナマン2票となり、バッファロー吾郎キングオブコント初代チャンピオンに決定しました。私はどちらかというとバナナマンの方が面白かったですが、全くタイプの違う2組ですし、バッファロー吾郎もかなりよかったので、この結果もやむを得ないかなと思います。
ただ、いたるところで言われているように、やはり審査方法にはかなり問題があるんじゃないでしょうか。芸人が100%芸人として審査できれば、松ちゃんの理想とするシステムになったのかもしれませんけど、彼らだって芸人である以前に一人の人間です。先輩・後輩といった関係や、事務所のしがらみなどを完全に忘れて審査することは不可能に近いでしょう。だからこそ普通のコンテストでは、そういったしがらみから、かなりの部分逃れることが可能な大御所が、審査員をつとめているんだと思います。
またもっと単純な話として、ただでさえベテラン有利な芸暦制限のない大会で、そのベテランに下駄をはかせるようなシステムでは、大会自体の面白みが損なわれてしまいますよね。もしこの審査方法にどうしてもこだわりたいんだったら、ある程度の芸暦制限を導入すべきじゃないでしょうか。


番組全体の感想としては、心配していたほどひどい内容ではなかったし、結果にもおおむね納得はいくものの、事前に審査方法から想像されたとおりの経過と結果になってしまったため、お笑いコンテストとしてのドキドキ感は大幅に損なわれた、といったところでしょうか。100点満点で審査するなら65点ぐらいかな。システム改善の余地はまだまだあると思いますので、来年にはもう一段グレードアップした大会にしてもらいたいものです。