楽園追放 ネタバレ感想

 ニコニコ動画の上の広告欄で、虚淵脚本の映画の公開記念舞台挨拶みたいなのの記事が上がってたので、虚淵やんけ!と思い、観に行こうかなと頭の片隅で思ったのが数日前。三連休やし、まあ観に行ってみるか、と新宿バルト9まで観に行ってきた。


 けっこうおもろかった。ストーリーは要約すればかなり簡潔になる。電子情報化するという形で進化して地球からちょっと離れたコンピュータステーションで活動する新人類と、肉の身体のまま地球で暮らす旧人類がいて、前者が技術的に超越しているのだが、近頃、地上から好き放題にハッキングされて、宇宙に旅立とう!みたいな謎のCMを打たれている。これをなんとかしたい上層部が、肉のボディに人格移植したエージェントを地球に派遣、その一人がアンジェラという女で、業務委託によりアンジェラのサポートをするのがディンゴという男。アンジェラは最初は新人類最高、旧人類意味わかんね派だったが、慣れない肉体、ディンゴの思想を知るにつれてちょっとずつ変容。やがてハッキングの犯人は、人格を持ったAIで、人類と共に宇宙の旅に出たいという目的でCMを打っていたとわかる。なんだかんだでアンジェラとディンゴは共感し、害はないんだと報告しにアンジェラは帰るが、そんなすごいAIはやべえじゃねえか、なんでぶっ壊さなかったんだと上層部に怒られて幽閉される。自分の位置がバレて攻め込まれたAIくん、また新人類世界をハックしてアンジェラを救出、もう新人類世界に居場所もないし、一緒に宇宙行こうよとAIに誘われるが、この世界に興味が出てきたところだからと断り、ディンゴは元から旧人類として地球にいるのが好きなので断り、AIくん一人旅、アンジェラとディンゴは地球に残る、という話だった。結構なげえな。
 最後、アンジェラちゃんは、新人類世界から追われる身になったりしないのかね?上層部もお前のような人格はアーカイブ化じゃあ、っつってたし、なるよな。追われる立場になった上で、ディンゴと逃亡生活に入るってことなのかしら。
 AIくんの目的は宇宙探索だが、その目的はなんなんやろ?確か、旧人類はこのままだと滅びゆくし、新人類に参加はさせてくれんから、別の新人類として宇宙を目指そうって話やっけか。あれ、でも旧人類にそんなCM打ってたっけか?新人類にはわざわざハッキングまでして同志募集したのに。なんか解釈間違ってっかな?
 90分ほどの映画で、やっぱどうしても駆け足になるわな。話が簡潔とはいえ、いささか性急に見えるところは致し方ない。パシフィックリムみたいに冗長であるよりは相当いい。
 アンジェラが可愛い。CV釘宮。ツンデレで、なかなかいい味出してる。だんだん態度が軟化していくのも、たいへんよい。
 ディンゴもなかなかよい。カッコつきすぎなところとか、アクションシーンでは申し分ない動きを見せるとか、類型キャラが無数に浮かぶが、まあよい。
 虚淵っぽい突き落とし展開はぜんぜんなく、健全。でも、熱い感じで、よかった。
 ただ、その分、心にズシンと、尾を引くような残り方はしない。
 でも、まあよかった。
 って感じです。