グラフィケーション10号

富士ゼロックスの広報誌である『グラフィケーション』の2017年6月号、「編集がはじまる場所」という鈴木一誌氏によるテキストのページ内に、先月の文学フリマ5月7日)での『建築と日常』の販売ブースを写した写真が掲載された。電子版の無料雑誌なので、下のリンク先から閲覧可能。

写真はテキストの内容と直接関係してはいないのだけど、編集の判断で、テーマに関連するイメージとして掲載してくださったらしい。撮影者の児玉房子さんはかつて桑沢デザイン研究所で大辻清司らに写真を学び、生前の多木浩二さんとも親交があった方。当日、文学フリマの取材をされるなか、『建築と日常』のブースに並べていた別冊『多木浩二と建築』()の表紙にたまたま目を留めてくださったのだった。児玉さんの履歴や多木さんと『グラフィケーション』との関係などについて、ちょうど同じ号に掲載された光田ゆり氏によるテキスト「写真のユートピア─「グラフィケーション」の一九七〇年代」で触れられている。
今回の写真掲載にはそうした偶然が前提としてあったわけだけれど、写真が併載されることになった鈴木一誌氏のテキストを読むと、そこで書かれていることは『建築と日常』の活動に深く響いてきて、それもまた不思議な縁を感じてしまう。おそらく写真を載せる判断をした編集部の方も、『建築と日常』の実際の性格まで知ってそうしたわけではなかっただろうと思う。